古典研究と古都探索

 今年のGWは3年ぶり行動制限なしで、国内観光地も旅行客でとても賑わいましたね。特に後半は天気にも恵まれました。京都も、もれなく例外ではありません。日差しも厳しい中、街は多くの観光客で賑わっていました。

 そんな私も、ふらっと京都市内より車で30分ほどかかる西京区の「大原野神社」へ足を伸ばしてきました。延暦3年(784年)、長岡京遷都の際、藤原氏の氏神である奈良・春日大社の神様を勧請し、小塩山の麓にお祀りしたのが始まりです。全国に数千とある春日神社の中でも、大原野神社は最初の分社だそうです。また紫式部にも縁があり、源氏物語の中でこの地が登場します。(大原野神社パンフレットより)


 とてもりっぱな由縁があるにもかかわらず、京都市内から交通の便も悪いためか、私の訪れた時は、申し訳程度の参拝者しかいませんでした。しかし空気はどこまでも澄み渡り、素晴らしい自然の中、随所に長い歴史を感じさせる境内で大変趣があります。また、ここから勝持寺(花の寺)に抜ける道があり、百人一首にも出てくる西行にも関係しています。聞き覚えのある言葉の記憶をたどりつつ、どこまでものんびりと。とても有意義な時間を過ごすことができました。


 今年度は高等学校学習指導要領が新しくなり、「古典探求」という新しい科目が追加されました。古典探究とは、日本の言語文化に対する理解を深めることを目的とされた新しい選択科目です。選択科目になったとこで、これまで以上に古典に触れる機会が減り、一部では反対意見もあるようです。自分自身、確かに古文や漢文は眠気を誘う授業内容だったと、うつらうつらしていた記憶があります(笑)しかし、こうやって「あの時学校で習ったことが・・・」と気づかされ、もっと深く知りたい!という知識欲に繋がっていると思うと、決して無駄な時間ではなかったなと思います。


 今回、古典は選択科目となりましたが、その科目目標は、生徒にとって古典を自分のものとなるような実践的な内容が含まれています。古典を受け身で学ぶのではなく、現代のどこに繋がっているか、古典をパズルのピースを合わせるように学習ができると、また見え方も違うのかもしれませんね。

 京都だけでなく、身近なところに歴史を感じさせるものがあると思います。そのモノがどんな変遷を遂げて今の形になったのか、まずはそんなところから、子ども達と歴史を遡ってみようと思います。