誰もが楽しめるeスポーツという競技

10月のブログテーマは「スポーツ」ということで、各スタッフが記事を上げています。

さて、私は何を書こうか…と考えましたが、悲しいことに、私はスポーツ全般がかなり苦手です。特にぐるぐる回転したり(逆上がり、側転など)、球を投げたり蹴ったり(サッカー、バスケットボールなど)する種目が壊滅的に駄目で、球技大会の時はなるべくグラウンドの端に寄って、球をパスされないように気配を消したりしていました。

そんな運動が苦手な私でも楽しんで挑戦できる、「eスポーツ」というものがあります。

eスポーツとは、「『エレクトロニック・スポーツ』の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称」です(「一般社団法人日本eスポーツ連合」HPより抜粋)。

世間に広く知られている競技タイトルとしては、「ストリートファイター」「スプラトゥーン」「太鼓の達人」などでしょうか。「ぷよぷよ」「テトリス」などもご存知の方は多そうですね。要は、テレビゲームが正式なスポーツ競技として世界的に認められ、プロとされる人々が賞金やメダルをかけて争ったりする時代になったということです。

こう聞くと、「テレビゲームのプロ選手…?誰でもできるんじゃないか?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、けしてそんなことはないのです。相手が銃で撃った弾に当たらないように避けて反撃したり、決められたコマンドをジャストタイミングで入力するためには優れた反射神経、視認力、ノウハウなどが必要であることから、eスポーツ業界で活躍する方々は、幼少の頃からプロになることを目標として血のにじむような特訓をしているそうです。

一方でeスポーツにおいて必要となる能力は衰えも早いため、業界における選手寿命は短く、ゲームのジャンルによっては10代後半で最盛期を迎え、20代前半で引退する例も多いとのこと。eスポーツは世界中の観客を楽しませており、そのために人生をかけて激しい練習に勤しんでいるプレイヤーがいると思えば、サッカーや野球などと同じ土俵にあるスポーツなのだと思わざるをえないように思いますが、いかがでしょうか。

上記のとおりeスポーツ業界でプロになることは大変難しいですが、あらゆる垣根を取り払って皆が楽しめる競技としては、eスポーツは最も優れていると思います。インターネットが発達した現代においては、回線が引いてあれば世界中のどこからでもアクセスできますし、年齢・国籍・言語・障がいの有無など関係なく参加することができます。

例えば、加藤大貴さんという方が設立した「ePARA」という団体は障がい者を対象としたeスポーツ事業を行っており、その中では精神障がい・発達障がい・身体障がいなどさまざまな選手が活躍しています。脳性麻痺のプレイヤーは、子どもの頃は自分でコントローラが扱えないため家族がゲームするのを見て楽しむことしかできなかったそうですが、今は自分が作成している視線入力デバイスで最新版の『モンスターハンター』をプレイしているそうです。そのような話を聞くと、eスポーツという世界の大きな可能性や、次世代に繋がる希望を感じずにはいられません。

 2018年6月に制定された「国民の祝日に関する法律」において、10月10日のスポーツの日の趣旨は「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う。」だとされています。私にも、3歳になる自閉症の可愛い娘がおります。どのような状況にある方でもスポーツを通して他者と交流し心から楽しさを味わえる、そのような世界が実現することを願ってやみません。