
諦めない心
スポーツ観戦は好きなので、ジャンルを問わずよく見ます。その中でも、最近心を打たれたスポーツについて書いていこうと思います。
今やお正月の風物詩ともいわれる箱根駅伝。1位から10位まででは、翌年の大会のシード権が与えられますが、それ以降は、関東の大学が参加する予選会から、本選の切符を手にしなければいけません。その予選会が、つい先日開催されました。
予選会は、ハーフマラソンの距離を走ります。各校12名までエントリーできますが、タイムが集計されるのは上位10名。その10名の合計タイムが少ない大学上位10校が、翌年の箱根駅伝本選へ出場することができます。予選会には40校あまり参加するので、いかに狭き門かが分かります。常連校が落選したり、久しぶりの出場の大学が名を連ねたり、今年も様々なドラマがありました。
その中でも今年は、55年ぶりに立教大学が本選出場を決めました。
監督は、上野裕一郎監督。中央大学の主力として自身も4度箱根路を走りました。社会人を経て、2018年の冬から立教大学の駅伝監督に就任しました。
それまでは「楽しく陸上を!」というチームが、「箱根を目指す」ということで、選手は戸惑ったと思います。反発もあったそうです。しかし、大会に向けての練習や合宿などの流れを作り、初めての予選会は23位。翌年に向けての流れをつかみます。
翌年は、コロナの影響で思ったような練習が出来ず、チーム全体の底上げはできませんでした。そんな中でも、他大学の留学生や日本人高速ランナーとの差に愕然とし、監督自身も落胆したとのこと。
「箱根に出るためには、自分たちが走って勝ち取らなければいけない」
そんな思いを掲げるも、選手の意識を変えていくのは難しい事でした。
そして迎えた今シーズン。戦力はそろっているが、気持ちややる気は選手個人の問題であり、チーム内でもみんながライバルであるという空気がないと、箱根には出られない。しかし、チームはそれが欠けている… そう思った夏前に、選手が変わり始めました。監督の指導を信じてやり切れば結果につながっていくことが、様々な大会の結果から実証され、箱根も夢ではないとみんな一致団結。見事本選への出場権を手にしたのです。
レース後、笑顔の選手の傍ら、涙声で走った選手、寮で応戦している選手すべてに感謝をし、「ここで終わる大学ではない、この先シード権を取れるよう、日々精進して、謙虚な気持ちで行きたい」と力強いコメントをされていた監督に、目頭が熱くなりました。
何かを成し遂げるためには、口だけでは何も変わりません。諦めたくなることも多々ありますが、最後に目標を達成するためには、自分自身の意識を変えることが大切なのだと気づかされました。
箱根駅伝まであと2か月ちょっと。立教大学がどのようなレースをするのか、どういった展開になるのか、駅伝ファンとしてとても楽しみです。