ロシアのウクライナ侵攻

今年のノーベル平和賞は、ウクライナ、ロシア、ベラルーシの3か国での人権活動を行う個人と団体が受賞しました。しかし、喜びの笑顔はなく、戦火の最中であることを酷く痛感するものでした。

2022年を振り返る上で欠かせない出来事の一つが、2月から始まり、今なお終結が見えない、ロシアによるウクライナ侵攻だと思います。賑やかだった町が爆撃により崩壊し、戦闘装備をした軍人が街の中を駆け、怪我をした住民の手当てに奮闘する救急隊の映像がニュースで流れました。直接自分自身の目で見た戦争の景色ではないけれども、今この世界で起こっていることをリアルタイムで知るたびに、得体の知れない不安が襲ってくるような気持ちになりました。遠くの国の出来事だから、なんとなく他人事のように思えるけれども、今、同じ世界で起こっていることから目を背けてはいけないと私は思います。

憲法9条で戦争の放棄を掲げている日本は、自国はもちろん、他国間の戦争に直接的に関わる事は避けています。しかし、国際的な立場から、経済支援や貿易面での経済制裁、支援物資の運搬等を行っています。日本の活動が戦争によって困難な状況下にある人々の助けになることを願う一方で、ここ最近は私たちの生活にも戦争の影響を感じる機会が増えてきたように感じます。

ロシアは原油などのエネルギー、ウクライナは小麦の輸出国ですが、この侵攻によってそれぞれの国で生産と輸出が滞り、需要と供給のバランスが崩れたため、世界的に価格が高騰しています。エネルギーの価格高騰は、電気やガスといった生活インフラと直結します。車のガソリンの価格高騰や電気代の値上がりは既に始まっています。また、小麦の価格変動と不安定な供給によって、パンや乾麺、製菓の材料費が上がり、この先さらに家計の負担が増えることが予想できます。余談ではありますが・・・厳しい冬本番、車が欠かせない地域に住み、そして食べ盛りの子供達がいる我が家にとっては、この様々な価格高騰が目下一番の悩み事となっています。自分の生活がいかに世界の国々に支えられているのか実感しますね・・・。

 

大学入試において小論文では時事問題を問われる場合もあります。特に今年は、このウクライナ侵攻がひとつのテーマになる可能性があります。共通テストが近づいていますが、少し時間を見つけて、自分が志望する学問分野とウクライナ侵攻に関わる諸問題について、ある程度自分自身の考えを整理する機会を作る事をお勧めします。勉強の合間に、新聞やニュースもチェックすると良いですね。