受験生と「食」

本日は「成人の日」ですね。

成人年齢が18歳に引き下げられてから初めての「成人の日」ですが、18歳の新成人を対象に成人式を行ったのは全国で3つの自治体にとどまったそうです。ほとんどの自治体は従来通り、20歳を対象として「成人式」もしくは「はたちの集い」などの名称で式を執り行っているようです。

それはそうですよね、18歳といえば高3。高3の1月といえば、本格的な受験シーズン。追い込みの時期かと思います。今週末14日、15日はいよいよ大学入学共通テストも実施されます。

さて、この時期、受験生のおうちの方々が悩まれることとして、「受験当日の食事」が挙げられると思います。当日だけではなく、受験前日は何を食べるのが良いのか、お昼(お弁当)は何を持たせれば良いのか、迷っている方も多いと思います。普段の実力を十分に発揮できるようにサポートしてあげたいと思うのが親心。心と身体、そして頭に良い食事は何なのか、気になるところです。

そこで今回は、受験に欠かせない脳と身体のエネルギー源について書いてみます。

みなさんもご存じの通り、脳は通常、エネルギー源として「ブドウ糖」を利用しています。これまでは、「人の脳で利用される唯一のエネルギー源=ブドウ糖」と考えられていました。しかし、さまざまな研究から、体内に「ブドウ糖」が不足してしまったとき、脳では肝臓で作られる「ケトン体」が利用されることがわかりました。

さらに、エネルギー源としては、「ブドウ糖」より「ケトン体」の方がいくつかの点で優れていることもわかっています。ブドウ糖は細胞や組織に取り込まれるときに「インスリン」というホルモンの助けが必要です。そのシステムに支障をきたすと肥満になったり、糖尿病の原因になったりします。

一方、「ケトン体」は「ブドウ糖」のように「インスリン」の助けを借りなくても、細胞や組織に取り込まれるので効率よくエネルギー源として利用することができます。さらに、「ケトン体」のエネルギー効率は「ブドウ糖」の約1.25倍にもなります。つまり、同じ量であれば、「ケトン体」の方がより多くのエネルギーを作ることができるのです。

また、「ケトン体」をエネルギーとして使うと、「インスリン」の分泌がなくなるので、食後の血糖値の増加や、その後の急激な低下などの血糖値の乱れがありません。その結果、食後に眠くなることもなくなります。そして、血糖値の乱降下によるメンタル面の不安定もなくなり、脳が活性化され集中力が続くようになるのです。

このように考えると、「ケトン体」をエネルギー源として使うメリットは大きいですよね。ではどのような食事をするとケトン体質になれるのでしょうか?

簡単です。ケトン体質になるための食事は、タンパク質や脂質を中心とした食事に切り替えることです。糖質を意識的に減らすことにより、「ケトン体」をエネルギー源にし、集中力のアップやストレスに強くなる効果が期待できます。人によりますが、早いと1週間程度で「ケトン体」がエネルギー源として利用されるようになってきます。試験1週間前からでも十分効果は期待できますよ。

では、明日が試験当日、という方はどうすれば良いでしょう。実は、おすすめのものがあります。それは「ココナッツオイル」です。「ココナッツオイル」は摂取してから約3時間後にケトン体値が最高レベルに達するという性質があります。受験当日の朝食、少量摂取すると良いと思います。

もちろん個人差がありますので、すべての人にあてはまるとは言えませんが、ケトン体質になると脳の機能がアップする可能性は高いと言えるでしょう。

最後に、ケトン体質をもたらすおやつのおすすめを紹介します。お腹が空いて何か食べたいときは、良質なたんぱく質であるゆで卵やチーズ。アーモンドやくるみ、カシューナッツ、マカデミアナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオなどのナッツ類を食べてみてくださいね。

それでは、今週末、大学入学共通テストを受験予定のみなさま、保護者のみなさま、普段の実力が十分に発揮できますよう、リラックスして試験に臨めますことを祈っております。