
思考回路を使いこなす
東です。2020年も残りわずかとなってきました。今年は、コロナ禍という状況の中、個々の対応が問われた1年であったかと思います。様々な予定されていた行事などが、中止になり、あるいは縮小、内容を変えられて実施など、それぞれの判断による対応がなされたかと思います。このような状況下において、自分自身の成すべきことをいかにして実現していくのかを考えることもあったでしょう。その際に、このような状況だから仕方がないと諦めるのか、何か方法はないのかと模索するのでは、その先々の未来が異なってくるでしょう。
そこで、論理的思考力という言葉に着目してみました。論理的思考力とは、問題を解決するために、筋道を立てて考える力のことです。例えば、小論文の問いに対して論じる時、さらには生きていく上で遭遇するあらゆる問題を解決していく時において、まず本質を見抜き、何を解決すべきなのか、そのためにはどのようにすることが最善策なのかと考える際に様々な思考力が必要とされるでしょう。
ここで、問題や課題を解決する考え方の参考として「5分で論理的思考ドリル」(ソニー・グローバルエデュケーション・著)より抜粋し紹介します。
「5つの思考回路」
1.スキャン回路(読みとる)・・・問題の本質を見抜く。
2.クリエイト回路(ひらめく)・・・これまで思いつかない方法を思いつく。
3.リバース回路(逆算する)・・・問題が解決するにはどうすればいいか、逆算する。
4.ノック回路(洗いだす)・・・ありうる可能性をすべて洗い出す。
5.ステップ回路(組み立てる)・・・「こうすれば、こうなる」と手順を組み立てる。
人は何かを考える時、周りの状況を調べ(スキャン回路)、解決するための手段を考え(クリエイト回路・リバース回路・ノック回路)、それを1つ1つ実行していく(ステップ回路)という手順を追っていくでしょう。「5つの思考回路」は、これらの手順を分解したものなのです。「5つの思考回路」を使いこなすことで、思考の手順のどこでつまずいているのか、次の手順に進むためにはどの回路を発揮すればいいのか、1つ前の手順に戻ったほうがいいのかなど「考える」ときに何をすべきなのかがわかります。
このような「5つの思考回路」を参考に、様々な事柄を考えていくと、おのずとより深い思考へと変化していくように思われます。例えば、ある問題に遭遇し解決して乗り越え、そしてまた新たな問題に遭遇し解決するという繰り返しにより、人は成長していくように感じます。新たな問題はさらに難易度の高いものとなり、問題や課題の解決能力もレベルアップしていくことでしょう。そのような時にこの「5つの思考回路」が、ヒントとなり役立つかもしれません。新たな年に待ち受けている様々な事柄に対し、ぜひ「考えて悩んでひらめいて解けた!」という拓けた未来に繋がる多くのトライをしてみましょう。