
実践から学びを深める
東です。「百聞は一見に如かず」ということわざがあります。皆さんもご存じの通り「百回聞くよりも、たった1度でも自分の目で見たほうが確かだ」という意味です。皆さんが思い描く将来も、書籍やインターネットで調べるよりは、実際に見て体験することの方が、様々なことが分かり、具現化が容易になるようにも思われます。
では、学校での学びはいかがでしょう。将来の様々な実践のためのものであるにもかかわらず、この学びは一体どこで生かされるのか、何のために学んでいるのかが、直接的に結びつかないように感じることもあるかと思います。通常、学校での学びから想像する、そして覚えていき、その知識を今後将来に生かしていくことになる訳です。例えば、身近なところで食生活を取り上げてみたいと思います。
●6つの基礎食品
第1群 魚・肉・卵・大豆・大豆製品
第2群 牛乳・乳製品・海藻・小魚類
第3群 緑黄色野菜
第4群 淡色野菜・果物
第5群 砂糖・穀類・いも類
第6群 油脂類
こちらの「6つの基礎食品」は、家庭科で学んだことがあるかと思います。このように食品全体を知り、またそれぞれの栄養の知識も得られているでしょう。しかしその時には、ただ覚えるだけでそれを日常に生かすまでは、考えが及ばなかったかもしれません。しかし、大人になり体調管理は自己責任となった際に、また子どもの健康管理を預かる立場になった際に、とても重要な知識となってくる訳です。健康維持・増進は、どのようなことを行うにしても基本中の基本となります。仕事であろうと学業であろうとベストコンディションで臨むことが理想でしょう。
では、逆に実践から学びに繋げると、どのようになるでしょう。最近、体重が増えてきた、貧血になってきたなど、体に何か変化が現れた時に、どのようにしたら改善されるであろうかということで、的を絞り調べ、実践していくということになるかと思います。前者であれば、肥満は様々な病気になるリスクともなるため、食事摂取基準を参考にカロリー調整をし、栄養バランスの見直しをしなければということになり、後者であれば鉄分の摂取量を増やさなければということになる訳です。このように今までの食生活を見直し、さらに、掘り下げ、関連のある事柄を調べたりしていくこともあるかもしれません。そして、新たな気づきを確認し、専門的な知識を身に付け、より学びを深めていくということにもなるかと思います。より的を絞り込み、深く追求することにもなります。よって、その学びがより確実に自分のものになり、生かされていくように感じます。
このように、学びを実践に繋げるだけでなく、実践から学ぶということも大切なように思います。学校における学びもこのような方向性へとシフトしつつあります。学習指導要領に示されている「主体的な学び」の基本はまさに「物事を経験すること」です。ぜひ、あなたの目指す将来に向けて、文章から想像する世界だけでなく、経験することで、漠然としたイメージをより具現化することに繋げてみてはいかがでしょうか。