
自分自身を知る
東です。進路など将来のことを考える際に、やはり第一には進学先、そして意外と後回しになってしまうのが、自分自身のことではないでしょうか?しかし、総合型選抜(旧AO入試)などにおいて、提出する書類や面接などで、自分自身の長所・短所などについての準備は当然必要になってきます。そこで、自分自身について再度考えるきかっけとなるかと思い、学力以外の能力として注目されている非認知能力について紹介します。
人間の能力には大きく認知能力と非認知能力に区分できます。アメリカの経済学者ヘックマン博士の研究結果では「人生で成功するかどうかは、認知的スキルだけでは決まらない。非認知的な要素、すなわち肉体的・精神的健康や根気強さ、注意深さ、意欲、自信といった社会的・情動的性質もまた欠かせない」とあります。認知能力は、読む、書く、計算するなどの学力で測れる能力、非認知能力は、根気強さ、意欲、自信など学力で測れない能力です。よって、非認知能力については、様々な定義や分類が可能ですが、中でも以下のビックファイブと呼ばれる5つの性格スキルを取り上げてみます。
「5つの性格スキル」
勤勉性・・・真面目さ、責任感の強さ
例)強:自己抑制が効き、集中力が高い
弱:アドリブ力に長け、行動力がある
開放性・・・好奇心が強い、想像力、新しいものへの親和性
例)強:芸術性、知性に優れ、改革を好む
弱:問題解 決能力に優れ、形式的な思考を求める
外向性・・・社交性や活動性、積極性、コミュニケーション能力
例)強:コミュニケーション力に優れ、野心を持っている
弱:物事を冷静に考察する力に優れ、安定を求める
協調性・・・利他性や共感性など、仲間と協力して取り組む力
例)強(高い):協力的で道徳的
弱(低い):カリスマ性があり、孤立を恐れない
精神的安定性・・・不安や緊張の強さ、自分に対する自信
例)強:恐怖心に囚われることなく頼れる存在で温和
弱:周囲の人の感情への感度が高く、空気を読むことができ、洞察力がある、
この性格因子5つの組み合わせと強弱によって人格が出来上がっています。強いから良い、弱いから悪いという訳ではなく、その人の性格を反映しているにすぎません。また、長所と短所は、表裏一体とも言われます。例えば、「協調性がない→自分のペースで物事が進められる」「長続きしない→好奇心旺盛で新しいことにチャレンジできる」といったように、自分自身が欠点だと思い込んでいたものが、長所とも成りえるのです。これらを参考に、あなたの性格スキルを今一度考えてみるとよいでしょう。
豊かな人生を送る上で、認知能力、非認知能力いずれも重要な能力です。また、学力面のみでは、計り知れない要素を抽出するためにも、自分自身についてアピールすることは、重要に思われます。双方が相まって総合的なあなた自身のアピールとなるので、いずれも必要となってくる訳です。入試には、様々な選抜方法があり、志望理由書を始め、いずれもあなた自身を知ってもらうための要素となります。一つ一つ充分に考え検討し、準備していくとよいかと思います。