再起する力を育む

東です。学校も再開し、日常生活が少しずつ戻りつつあるようにも感じますが、また一方で、元通りにはならないという現実を突きつけられることもあるでしょう。心身ともに日常のリズムへ戻していくことの難しさ、これから先どのような将来を思い描いていくのかという、漠然とした不安にもかられているのかもしれません。そのようなことも踏まえて、書かれたと思われる小学校便りの一部を抜粋します。

これからの日常から、まさに知恵を出し合い、「新しい学校生活」を創り上げていくことになります。人間に備わる「考える」「思う」「工夫する」「知恵を出す」「想像する」「創造する」という力を、今こそ出し合いトライしていく必要があります。難しさや不自由さが生じると思いますが、「生活が変わるのだ」ということを受け入れ、「それでは、こうしたらどうだろう」という、今、考えることができる新たな「夢や希望」を持ちたいものだと思います。

こちらを読み「レジリエンス」という言葉を思い浮かべました。「回復力」「復元力」または「弾性」とも訳され、ストレスといった外的な刺激に対する柔軟性を表す言葉です。心理学の分野で最も広く使われている定義では、「逆境に対する反応としての精神的回復力や自然的治癒力」「ストレスや逆境にさらされても、適応し、自分の目標を達成するために再起する力」と表現されています。このレジリエンスを育成しようという動きが、学校や会社でも広まってきているようです。レジリエンスを活用した人材育成に携わっている久世浩司さんは、レジリエンスが高い人の特長を次のように述べています。

「回復力」

困難に直面しても、すぐに元の状態に戻ることができる、心のしなやかさをもっています。柔軟な心理は、レジリエンスの高さの証です。

「弾力性」

これは、予想外のショックやストレスなどがあっても、弾力性をもって耐えることができる精神を表します。人から批判され、嫌なことを言われても、心の傷とならずに守ることができます。

「適応力」

予期せぬ変化に抵抗するのではなく、それを受け入れて合理的に対応することができる思考をもっています。

あらゆるものが一旦ストップし、再開となった今、「やればできる」という自己効力感をアップすること、そしてレジリエンスを高めることが、必要となるように感じます。ここから再スタートとして動き出す時、どのようにしていくべきなのか、個々の目指す目標に向かって、この状況下でどのような判断をしていくのかとなるかと思います。今までの方法、考え方では、難しいでしょう。今回に限らず、人生は山あり谷あり、様々な逆境や困難が立ちはだかり、それを乗り越えていかなければならないことはあるでしょう。同じような困難に直面しても、ピンチをチャンスに変えて人生の成功を掴む人もいれば、ピンチが生む不安や緊張に潰されてしまう人など、その捉え方や反応の仕方は人によって様々です。正に、このような状況に適応し、自分の目標を達成するために再起する力が必要とされるのではないでしょうか?ぜひ、この機会を活かす方向へ導き、将来に繋がることを願います。