常日頃の心がけを大切に
東です。この春、子どもが卒業式、そして入学式を迎えました。しかし、残念ながら保護者が出席できないという寂しいものではありました。通常であれば、様々な期待に胸を膨らませる季節であるかと思います。しかし日々のニュースを見ていると、残念ながらそうではない複雑な心境というのが現状でしょう。どのような状況下においても、常日頃からの心がけというものは大切なように思われます。日々を過ごしていく上でも、将来を考えていく上でも、心に留めておくとよいのではと思った内容を、以下に紹介したいと思います。*「なぜ僕らは働くのか」監修・池上彰より
行動の5つの要素
20世紀末、アメリカのスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授は、「個人のキャリアの8割は予期せぬ偶然で決まる」とし、「計画された偶発性理論」を発表しました。この理論をすごく簡単に言うと、「良い生き方、働き方ができる人は、いい偶然を自分の力でつかめる」ということです。そしてクランボルツ教授は、そんな人になるために大事な行動の要素が5つあると説明しました。
「好奇心」
新しいものにワクワクする姿勢、新しいものに飛び込もうとする姿勢で、いろいろなことに興味を持っていると、どこかで自分の人生を好転させてくれるチャンスもつかむことができます。
「持続性」
好奇心があるからといって、いろいろなことに手を出し、最後までやらずに投げ出してしまうのでは意味がありません。やり遂げることで、それが自分にとって意味のあることだったのか、そうでなかったのかがちゃんとわかります。
「柔軟性」
過度なこだわりは持たず、他の人の意見や新しい視点などを積極的に受け入れ、変化していく態度です。柔軟性を持つことで、これまでにない経験をすることができるようになります。
「楽観性」
新しい挑戦をするときや、挑戦を続けていても結果が出ないときは不安を感じるものです。この不安に押し潰されず、「きっと大丈夫!」とポジティブな態度を取ることが、難しい挑戦を成功に導くカギとなります。
「冒険心」
せっかく興味を持ったことも、始めなくては意味がありません。一歩踏み出してみる心が冒険心です。挑戦の結果がわからなくても、リスクがあったとしても、自分がやってみたかったら行動してみましょう。成功の反対語は失敗ではなく、挑戦しないこと。一歩踏み出したか、踏み出さなかったかは、とても大きな違いです。
この5つの要素は、既に働いている人はもちろん、自分の夢ややりたいことを探している子どもたち、若者たちにとっても、とても大事です。そして、これらの要素は互いに関連しあっています。
●いろいろな事に好奇心を持って行動し、興味を強くそそられたものに対して持続的に取り組む。
●周囲の人の意見を聞いて、ときには自分の考えを変えられるような柔軟性を持つ。
●なかなか答えが見つからない不安な未来に対しても楽観的な気持ちでポジティブにとらえる。
●ときには思い切って冒険心を持って、リスクを恐れずに挑戦する。
ただ淡々と日々を過ごすのではなく、偶発を呼び込むために、このような行動をぜひ心がけてみましょう。予期しない出来事を待つだけではなく、自ら創り出せるよう積極的に行動したり、周囲の出来事に神経を研ぎ澄ましたりして、偶然を意図的・計画的にステップアップの機会へと変えていくのです。そのようにすることで、おのずとチャンスが巡ってくるのではないでしょうか?「好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険心」をぜひ覚えておいてください。あなたの目指すべき将来にきっと役立つでしょう。