新しい時代に必要な能力とは

東です。先日、小学校にて保護者を対象とした、「今、大学や職場で何が起こっているのか?-将来を見据えて、これからの子どもの教育や子育てを考える」と題して講演会がありました。(講師:溝上慎一氏)そこで、私は「これからの教育」に興味があり出席しました。既に新学習指導要領が交付され、アクティブラーニングやキャリア教育、探究的な学習など、学校教育における教育方法や内容の改革が進んでいく中で、子どもたちの将来を見据えて、どのようにしていけばよいのかと思われている方が多くいるようでした。

そして講演では、アクティブラーニングにおける書く、話す、発表するなどの「外化」に関する内容がありました。まず、「外化」が非常に大切であるということを強調していました。そして、アクティブラーニングといえば、話す、発表するといったグループワークやプレゼンテーションといった他者との協働の学習と思う人が多いですが、書くということも大変重要だとも言われていました。例え話すことが苦手であったとしても、書いたことなら比較的容易に話すことができるということです。そして、こうした「外化」がなければ、コミュニケーション能力、問題解決能力などへ発展してはいかないでしょう。

さて、外化とは何でしょう?それと対になる内化とともに、以下を参考にしてください。

(講師:溝上慎一氏HPより一部抜粋)

内化≒インプット→読む・聞くなどを通して知識を習得したり、活動(外化)後の振り返りやまとめを通して、気づきや理解を得たりすること。

外化≒アウトプット→書く・話す・発表するなどの活動を通して、知識の理解や頭の中で思考したことなど(認知プロセス)を表現すること。可視化(見える化)とも呼ばれている。

アクティブラーニングの最大のポイントは、理解したこと、考えたこと、疑問に思ったこと、気づいたことなどを書く、話す、発表するなどの活動によって外に出す、すなわち「外化」ということになる訳です。内化を十分に行った上での外化が重要でしょう。内化―外化―内化と繰り返されることもある訳です。

  1. 個人の頭の中の関連する知識や考え、疑問を徹底的に外化する。
  2. 個人で外化できないことは、他者や集団とのグループワークのなかで「そういうこともあるな」「これはどうだろう」と新たに気づくことで外化されることもある。
  3. 関連する知識や考えを繋いで自らの筋道をつくり、外化(表現)する。その際に必要な知識や根拠が含まれているのか確認する。そしてこのプロセスの中で「そういうことがあるのか」「これもあるのではないか」と理解を得たり、新たに気づくこともある。 

こういったことは、小論文、志望理由書を書くということにも通ずるように思われます。答案を添削する際に、特に③に関して不足していると感じることがあります。確かに①②があってこその③ですが、自らの筋道に必要な知識や根拠が含まれているのかを、意識するよう心がけると良いでしょう。より説得力のある内容となるかと思います。そして、実社会・実生活、大学での研究などについても同様です。この場合でも、まず関連して思うことを徹底的に外化し、解に至る筋道を自らの論理でつくることが重要となる訳です。これからの新しい時代には、このような能力を伸ばしていくことが、大切となってくるように思われます。