方向性を意識してみる
東です。先日、中学生とその保護者を対象とした高校説明会に出席しました。その際に、進路を選択するに当たって、高校生活でどのような生き方をしたいのか、どのような力をつけたいのか、そしてその先の大学では何を研究し、どのような人生を送りたいのかといったことを、考えることが必要となってくるとのお話しでした。まさに志望理由書のコメントで書くことのある、「大学は研究機関であり、志望理由書では大学に進学して何について具体的に研究したいと思っているのかを述べることが要求されます。」であると感じました。こういった意識を早いうちから持っていることは、大切なように改めて思いました。
さて先日、大学入学共通テストの記述式問題に関しても、英語民間・検定試験活用と同様、導入見送りと発表がありました。(以下、文部科学省HPより抜粋)
「大学入試改革は、子どもたちが未来を切り開くために必要な資質・能力の育成を目指して、高校教育改革、大学教育改革とともに中等教育を通じ、論理的な思考力や表現力を育て伸ばすことは大変重要であり、それらを評価する観点から、大学入試において記述式問題が果たす役割が大きいことは変わりありません。今回、令和3年1月の大学共通テストでは、記述式問題は実施せず、導入見送りを判断しましたが、各大学の個別選抜において記述式問題の活用に積極的に取り組んで頂きたいと考えており、文部科学省として、各大学に対してそうした取組をお願いしたいと思います。」
これらは入試改革の重要性を語っており、今後も方向性に関しては変わりがないように思われます。そもそも、これらの改革はなぜ行われるのでしょう。再確認してみます。
(以下、文部科学省HPより抜粋)
●なぜ記述式問題を導入するの?
記述式問題の導入により、回答を選択肢の中から選ぶだけでなく、自らの力で考えをまとめたり、
相手が理解できるように根拠に基づいて論述する思考力・判断力・表現力を評価することができます。また、共通テストに記述式を導入することにより、高等学校に対し「主体的・対話的で深い学び」に向けた授業改善を促していく大きなメッセージとなります。大学においても、思考力・判断力・表現力を前提とした質の高い教育が期待されます。併せて、各大学の個別選抜において、それぞれの大学の特色に応じた記述式問題を課すことにより、一層高い効果が期待されます。
●なぜ英語4技能評価に資格・検定試験を活用するの?
グローバル化が急速に進展する中、英語によるコミュニケーション能力の向上が課題となってきます。現行の高等学校学習指導要領では、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能バランスよく育成することとされており、次期学習指導要領においても、こうした4技能を総合的に扱う科目や英語による発信能力が高まる科目の設定などの取組が求められています。大学入学者選抜においても、英語4技能を適切に評価する必要があり、共通テストの枠組みにおいて、現に民間事業者等により広く実施され、一定の評価が定着している資格・検定試験を活用し英語4技能評価を推進することが有効であると考えられます。
このような状況の中、どのように対策をしてよいものか不安要素も多くあるでしょう。いずれにしても、教育改革の方向性を、まず意識することにあるのではないでしょうか?そして、始めに述べたように自身の将来の方向性をしっかり持つということが、重要であるように思います。それは、漠然としたものではなく、より具体的に、その裏付けやどのような背景があってのことなのか、根拠に基づいて論述できるよう追求すると、さらによいでしょう。