【今年のAO推薦入試の所感】
代表の神崎です。
今年のAO推薦入試は荒れに荒れました。
私が感じるところを、述べてみようと思います。
なお、私の主観によるところが大きいので、参考程度に留めていただければ幸いです。
- 安全志向が働き、まずは指定校推薦枠に志望者が集中。学内選考激化。評定平均値だけでは差がつかず、学校での活動その他で差をつけざるを得ない状況になっている。
- その結果、学内選考に漏れた受験生が9月以降に公募制推薦入試に流れる。
- こうして公募推薦入試が激化。外部英語検定や実績、書類・小論文・面接の些細な差異で不合格となるケース続出。GMARCH以上では英検2級で戦えなくなってきている印象。
- 高3の9月以降からAO推薦対策をし始めた受験生がことごとく不合格になっている。
- 高3の1学期から志望理由書対策を始めても、腰が重く、机上の空論で終えている受験生は不合格率が高い。要は、現場を見ていないから、自分勝手な推論と論文とサイトのパクリで終わる。
- 一方、評定平均が低い受験生がAO入試へ流れ、ことごとく玉砕。今年のうちのGMARCH以上合格者はA評定だらけ。
- 逆に、研究色が強い志望理由を持ち、活動を積み重ねてきている受験生が順当に合格している。
- 探究活動をしていても、不合格になるケースが多発している。大学は研究機関であるという前提ならば、探究や調べ学習だけでは不十分であるというのは至極当然。
- 「私がこれをやりたい」と好奇心で終えて、世界をつくらない、破壊する志望理由を語る受験生の結果は芳しくない。書類は通るが、面接でNGの生徒はだいたいここを面接で指摘されて、反駁で終えている印象。
結局は、
- AO推薦入試は、付け焼刃では太刀打ちできない時代に突入した。きれいな作文を書かせる指導や業者の添削指導では足りない。
- 探究や実績のスタンプラリーで終える受験生よりも、高校在学中に大学の研究やキャリア形成、未来づくりまで意識している受験生が順当に評価される。
- 外部英語検定試験のスコアが思いのほかAO推薦入試に効く(CEFRでB2以上は有利な展開になりがち)。
- 指定校推薦枠狙いで勉強を続けると、枠に漏れたあとの対処が厄介(一般入試・AO入試に耐えられない)。
- AOでも推薦でも評定平均の低さはネック。⒊2を割った受験生は全滅。3.5だって厳しい。
- 豊かな経験ができる開かれた高校の受験生が、AO推薦入試の結果を出す時代になってきた。逆に、20世紀型バリバリのチョーク&トークをやっている閉ざされた高校はボロ負けしている。教室は世界のシミュレーションの場だということを認識していない教師が多い学校だと厳しいかも…
「思考ー行動ー感情」のバランスがとれている受験生がAO推薦入試に合格しやすい印象。
気持ちだけ先走っても、行動だけしていても、思考だけ働かせても、足りませんね…
そして、高校選びが総合型・学校推薦型選抜の勝負に影響を与えることも見えてきました。
※余談
あるGMARCHレベルの大学では全受験生に「うちの大学は定員が厳格だから、仮に試験の出来がよくても不合格になることがある。一般入試は過去問をやっていればできるから、またチャレンジしてほしい」と教員が発言している。