人生が現れる自己表現
東です。先日、長男の情報収集の為に、高校進学フェスタに行きました。なかでも「自己表現検査」というものに目が留まりました。内容は、与えられたテーマに基づくスピーチ発表、指定したテーマについてのグループ討論、中学校までの学習を教科横断的に活用して設問に対する答えや考えの記述など、それぞれの高等学校で設定した内容となります。前回、学力の3要素についてお話しましたが、その中にも「表現力」がありました。今後、大学だけでなく、高校入学者選抜にも、重要視される要素となっていくように感じました。
さて「自己表現」と聞き、何を思い浮かべるでしょう?私は、趣味の一つとして実際に習っていることもあるため、民族音楽の中で特に自己表現の強いフラメンコを思い浮かべました。そして、個々の表現について先生が話された内容を思い出しました。
「全くのコピーでなくていい。10年、20年生きてきた人生は、それぞれ違うのだからそれを踊りに表現したらいい。30代の人と60代の人が全く同じ踊りをしていたら、かえっておかしい。その人生の違いが現れるのがフラメンコの良さであって面白さだから。」特に「人生が現れる」という言葉から、年の重ね方の大切さを感じました。「一日を大切にせよ。その差が人生の差につながる。」というカーネギーの言葉もあります。日々の積み重ねが、きっと踊りだけでなく、あらゆる場面においても、多かれ少なかれ現れるのではないでしょうか?必須化になって間もない中学、高校で行われる体育科でのダンスにおいても、同じことが言えるのかもしれませんね。授業では、創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンスで構成されており、イメージを捉えて、自己を表現したりすることに楽しさや喜びを味わうことのできる運動とあります。中学校、高校での違いを参考まで以下に紹介します。
中学校・・・感じを込めて踊ったり、皆で自由に踊ったりする楽しさや喜びを味わい、 イメージ を深めた表現や踊りを通した交流や発表ができるようなことをねらいとしている。
高 校・・・これまでの学習を踏まえて、感じを込めて踊ったり仲間と自由に踊ったり、自己や仲間の課題を解決したりするなどの多様な楽しさや喜びを味わい、それぞれ特有の表現や踊りを身に付けて交流や発表をすることなどができるようにすることが求められる。
このように、ダンスにおいて「自己表現」というのは大切になってきますが、入試における小論文や志望理由書なども、まさに自己表現の場であると言えるのではないでしょうか?文章にも当然、その人の人生が現れます。入試は、人生の通過点の一つにすぎないのですが、とても大切な通過点です。今まで、どのように生きてきたかが、きっと現れるでしょう。ダンスは一つの例に過ぎませんが、今後ますます様々なケースにおいて、自己表現が必要となってくることでしょう。自己を見つめ直し、あらゆるケースにおいて表現できるようにしておくことが大切なように思います。
フラメンコの「オレ!」は、賞賛するため、元気づけるため、喜びを表す感性の言葉です。「いいね。すごいね。よかったね。かっこいいね。よくやったね。頑張ったね。」といった意味合いになります。ぜひ、そのような言葉をかけてもらえる、今までの人生、そしてこれからの人生でありたいものですね。