AO入試の基本事項
こんにちは、髙山です。先日、お子さんが高校2年生という人の話を聞く機会がありました。最近の入試は複雑で難しい、センターが変わるタイミングを考えたらうちの子は運が悪いなど、色々な話が耳に入ってきました。基本的には子供に任せていること、どうせ子供もちゃんと話をしたがらないから等、聞き役でいたのですが、さすがに聞き逃せない一点について、私もつい言葉を挟みました。それは「AOでとりあえず受験して、それで受かったらキープしておいて、他も受けて、最後にどこに行くのか考えればいいよって子供とも話した」という一言でした。
合格は難しいとわかっているけれど、記念受験で〇〇大学も受けた。絶対無理と思っていたけれど奇跡的に合格できた。入学金は戻らないけれど、早い時期に合格して手続きをしてあった大学を辞退して〇〇大学に行くことにした
上記は友人のエピソードで、今現在もあり得る話です。ただし、併願可能な大学を受験していることが前提です。入試のシステムとして、専願か併願かという話がありますが、AOを含め、推薦などで受験をする場合、基本的には「合格したらその大学に進学する」という前提になっているケースがほとんどです。中には、出願時に確実に進学するという誓約書類を提出することを必須としている大学もあります。試験が終わり、不合格と言う結果となり、その時点でAO入試として出願可能な大学が他にあればフリーの身として再度他大学の受験は可能ですが、AO入試や推薦入試においては複数の大学に同時に出願は出来ません。
知人は、AO入試が基本、専願であることを知らなかったため、記念受験の大学にもし合格したら…のイメージで考えていたようでした。ともかく、同時に2校のAO入試にチャレンジすることはできません。AO入試の性質上、試験において、志望動機、志望理由の以外にも、入学意欲についてなど、受験する人物そのものを評価する試験である傾向が強いということがあると思います。複数の大学に出願するということは、その大学に対しての入学意欲が低いということとイコールになってしまうから…とも言えます。
前述の知人に少し説明したところ「それは絶対無理?決めるのは本人じゃないの?」と聞かれました。「行かない」という人を無理やり大学に通わせることは出来ません。ですが、合格=入学することを前提に受験をしていて「やっぱりやめた」と思うくらいであれば、そもそも受験をしないで欲しいと個人的には思います。また、辞退して他の大学を受験すると主張しても、高校が書類をそれ以上発行してくれない可能性もありますし、もしも誓約書を提出しているなどのケースであれば、それなりの罰則もあり得るかと思います。例外で併願可能としているAO入試もゼロではありませんが、当然ながら厳密な条件も伴う話です。AOや推薦で出願して、めでたく合格となった後で「でもやっぱり…」と思う可能性がある、ギリギリまで志望先を考えたいなどの気持ちがある人には一般入試が向いているように思います。
いろいろな意味で、入試を安易に考えず、しっかりと調べ、把握し、計画的に受験に臨んでいく必要がありますね。自分の受験ではどうするのか、よく考えてみましょう。