声に出して伝える大切さ

高山です。先日、子供の空手の稽古についていきました。非常に口の達者な我が子に「返事はハイ」とか「四の五の言わずに取り組む」ということを身につけて欲しいと思い昨年の夏の終わりから通っています。別の日には子供のバイオリンの合同練習にも行ってきました。どちらも小中学生中心の活動です。

 空手とバイオリン、内容も大きく異なりますが、空手ではとにかく声を出すことを常に指導されています。稽古中も、先生方が何か話をした後も子供達ははっきりと返事をするように厳しく注意を受けます。また、集合、休憩終了時などにはキビキビ動くよう声が掛かります。それらを経験として学び、身につけている子供達は習慣として(条件反射かもしれませんが)自然に挨拶をして礼儀正しく、我が子にもこうなって欲しいと心から思わされます。先日のバイオリンの合同練習の歳、先生より並び方を変えて、ちょっと動いて…という指示が数回ありました。たまたまかもしれませんが、誰一人として声を発せず、自発的に移動もせず、先生の何度かの指示でやっと反応するという様子に、最近、空手の稽古を頻繁に見学していたこともあり、返事をすること、相手の言葉にしっかり反応をすることの大切さを痛感しました。

 声を出して反応すること、即座にはっきりと返事をすることは至極普通と思えますが、誰でも出来ているかというと実はそうでもありません。だからこそ幼い頃に「お返事はちゃんとしましょう」と教わるのだと思います。極論であるかもしれませんが一般企業において、特に営業職などで体育会系出身者が一定の評価をされて採用されているというのには、そういった立ち振舞、言動において既に訓練されたものがあるからではないでしょうか?学生時代は学生として見逃されたとしても、社会に出てからは責任ある言動を求められます。日常的に声を出してきた人と、そういう経験が無い人と、立ち振舞に差がでるのは当然とも思います。

 人前で話をすることを生業としている人が話慣れているのは、話そう、伝えようという行為を日常的に行っているからです。そして、何をどのように伝えたらいいのかを常日頃から模索しているからであると思います。挨拶を含めて相手に何かを伝えるために声に出すということは、他者とのコミュニケーションにおいて必要不可欠です。入試においては面接での対応、プレゼンテーションでの立ち振舞い、大学であればゼミ発表、就職活動など「話す」というスキルを求められる場面は多々あります。まずは本当に基本的なこととして、声に出して適切な立ち振舞が出来ているのか・・・ちょっとだけ自分の日常を思い返してみて欲しいと思います。

 運動系の活動において、正確にはなんと言っているのかよくわからない「ウィーッス!」のような返しも、誰かの問いかけに条件反射的に反応して声に出せていると考えると「自分ももっと声をしっかり出して返事をしよう」と思わされます。やはり礼儀正しい言動は年令問わず気持ちがいいものだなと、今日も息子の空手稽古を眺めながら思っています。