私の志望理由書構築の実際

代表の神崎です。

AO入試の志望理由って、実際には大学および将来に向けてのプロジェクトの計画書だから、そもそもどんなプロジェクトを生涯にわたってやりたいのか、それはどんな自分の文脈と結びつくのか、というところを表現することになる。

そうなると「何をやりたいのかわからない」という子も続出するので、その手掛かりになるところまでを対話によって引き出すのが、私の仕事となる。
昨日、そのことに気づいた。
 

(ある高校で「何をやりたいのかわからないという生徒がいるけど、あなたのやり方では無理だ。どうすればいいか」とキレてきた教員に出会ったが、そんなの対話するしかない、としか言いようがない)
 

自分が指導者として現場にいる意味の一つは、ここにあるんだろうな。

自分の塾で探究プロジェクトやるとき、教科教育の話(好きな教科は何?魅力は何?)、今までやってきたこと、子どもの頃のこと、趣味や特技、習慣、生きてきた環境、時代背景などなど、色々話を聞く。
 

その時に頭の中で意識しているのは、それぞれの話の結び付きと仮説としてのストーリーづくり。
何が、どう結びつくかわからないので、結構スリリング。
表出した「好き」「大事」というところに根付く全体像を俯瞰し、その時々で揺れ動いてきた価値観を覗いていく。
 

そのうえで「さて、どれに力を注ぐの?」となる。

まさか、欅坂46から、渋谷と結びつき、カウンターカルチャー、ビジュアルコミュニケーションアートと展開するとは思わなかった。
雷からノイズ、そして臨床検査へ飛ぶとは想像できなかった。
人権保護から、差別問題、そしてモデリングシミュレーションで差別を可視化しよう、なんて普通出てこない。
 

ここを対話でつくってしまおう、というわけだ。
シナリオづくり、なんだな。
 

素材はヒアリングの内容と、大学での学びの概要、先行研究。
私がアイデアを投げるときもあるし、生徒が勝手に話し始めることもある。

要は、探究したいという素材がない中で、その子が持つ素材をどう引きずり出し、シナリオをつくり、前へ札を進めるか。これを私が担っているということになる。