現高2生がAO・推薦入試対策として今やるべきこと 旧制度最後の受験生はAO・推薦・一般全方位作戦を取れ!
代表の神崎です。
近頃、現高2生や保護者の方々から「AO・推薦入試の対策はどうすべきか」とお問い合わせをいただいています。
おそらく昨年および今年の受験事情、そして旧制度最後の受験生となることから、ご不安になるのかと推測しています。
この時期にどういう行動を起こすべきか、記事にまとめてみました。
- AO・推薦・一般入試すべてにチャレンジできるようにすること
- AO・推薦入試にチャレンジするさいに準備すべきこと
- 私が高2の今の時期(高2の2学期)に生きていたらどうするか
1. AO・推薦・一般入試すべてにチャレンジできるようにすること
特定地域内の学部収容定員の抑制に伴い、昨年度の一般入試の難度が上がったことはご承知の通りかと思います。
その影響は甚大で、浪人生の増加、一般入試受験生の安全志向(指定校推薦への流出)、公募制推薦入試の難化が見られます。
この状況はおそらく来年度も続きそうです。特に旧制度最後の年となり、安全志向はさらに強まります。
こうした中で取るべき戦略は「受験回数をできる限り増やすこと」です。ただし、一般入試の受験回数を増やすのは限界があります。そうなると、AO・推薦入試も視野に入れて戦略を練ることになります。
AO・推薦入試の可能性を手放す行為は、単純に考えて受験チャンスを減らすことになります。
2. AO・推薦入試にチャレンジするさいに準備すべきこと
AO入試・推薦入試を視野に入れるならば、以下の準備が必要となります。
※なお、AO入試は成績不良の受験生が受けるためのものではなく、アドミッションポリシーに合致する受験生を確保するためのものです。この辺りは勘違いされがちなところですので、念のため申し添えます。
①評定平均値を上げる
ほとんどの大学のアドミッションポリシーには基礎学力を求める旨が示されています。
「AO入試は成績なんて関係ない」と思われがちですが、そもそもアドミッションポリシーに上記が記されている場合、「基礎学力はどこで測られているのだろうか」と考えてみると、おのずと答えが出ます。
②(GMARCH以上を狙うなら)SGH・SSHに負けない探究活動を行うか、対外試合(コンテスト)で実績をつくる
SGH・SSHは探究活動を学校の取り組みとして行っています。
彼ら彼女らはここでの活動をネタに、志望理由を固めてきます。
また、学校によってはクエストカップ、キャリア甲子園、マイプロジェクト等、さまざまなコンテストに参加することに力を入れているところがあります。
ですから、敵はそれなりに武装していることを想定して、行動をとるべきです。
ちなみに某塾では、こうしたコンテスト出場者に集中して声をかけ、入塾を促しているという情報を得ています。それは、合格しやすい(=合格実績が出しやすい)からです。
※弊塾では、私自身そういう誠実でないやり方は好まないので、行っていません。
GMARCH以上を狙うなら、入試直前になって机の上で作文すれば志望理由が書けるなどと思ってはならないと思います。
ただし指定校推薦は除きます。しかし、今年はGMARCH以上の枠の争奪戦が起こった高校があり、学内選考で志望理由が非常に出来の良かった生徒が勝ち取ったという報告もチラホラ聞いています。。
③早急にキャリア形成に着手する
志望理由の要は、心の奥底から「これを学びたい!」と思えることをみつける事です。
そして、そのエネルギーを研究・探究へと向けることです。
そうした純粋な思いを育むことができるのは、おそらく高2までです。
高3になると受験モードに突入し、偏差値やブランドイメージで大学を決めはじめます。
そもそも高3になると、そうしたことを考える時間がありません。
そうした姿は果たして、学びに向かい合う、美しい姿と言えるでしょうか。
④論述力のための訓練をする
AO・推薦入試につきものなのは、小論文です。
しかしながら、十分な知識を得て小論文で議論できる受験生はあまりいません。
入試直前期に慌てて取り組んでも、突然文章がうまくなるわけはありません。
『○○のオキテ』『落とされない○○』と称する小論文参考書が売れているようですが、それでは焼け石に水。実力不足は取り繕えません。
⑤外部検定試験でCEFRのB2以上を目指す
外部検定試験の成果、特にCEFRのB1以上(例えば英検2級以上)の取得は、AO・推薦入試対策として絶大です。できればB2以上(例えば英検準1級以上)が望ましいです。
大学によっては外部検定試験のスコアが出願条件になっていることがあります。
最近では指定校推薦入試の出願条件にも課されるケースがあります。
この時期からできることで、緊急性の高いものは、③⑤+②です。
③はかなり手間がかかります。高3で一般入試対策を想定しているなら、おそらく③の対応を並行して行う際にかなり大変になります。
⑤は、後回しにすればするほど受験チャンスが減ります。
②で厄介なのはコンテスト出場です。コンテストの開催時期によっては、高3では参加できないものが多くあります。
3. 私が高2の今の時期(高2の2学期)に生きていたらどうするか
私なら、評定平均値をできるだけ上げる努力をしつつ、負担の少ない高2のうちに志望理由の構築とコンテスト出場を行うと思います。
高2の3学期で評定平均値の様子が分かると、高3の1学期の成績がおおよそ推測できますので、そのときにAO・推薦入試の対策を継続するかどうかが決められます。
継続しない場合でも、志望理由の構築の過程でさまざまな調べ学習の成果が残ります。
そうなると小論文を執筆したさいの知識として活用できます。
小論文のテーマで最も出題されるのは、出願学部に即したものだからです。
小論文の受験ができるようになると、たとえば名古屋大学法学部や広島大学総合科学部、熊本大学文学部といった国公立大学の前期入試の2次試験に活用したり、慶應義塾大学の小論文対策に使うなど、受験校の幅が広がります。
私個人として心配なのは、このままキャリア形成をしないで大学受験をする受験生が生まれることです。
それは、幸せな人生の歩みを妨げてしまうことにつながります。
むしろ、最も大事なのは、偏差値やブランド名で大学を超短期的に選ぶのではなく、長期的な視点で捉えた人生設計を行うことだと思います。