見直し、鍛えよう「要約力」

東です。毎週末、宿題である200字日記を書く小学5年生がいます。

まず、何を題材にするのかを選び、それを指定文字数内で、どのようにまとめるのかという方向性を定めることから始めます。

●印象に残ったことを書く

●五感を活かす

●考えたこと、感じたことを書く

こういった要素を書く日記は、単に日々の出来事を記録するだけのものではありません。言葉や思考を磨く場にもなります。ゆえに、自分の経験を意味のあるものにするだけでなく、新しいことを発想する時の大きなヒントにもなります。毎週末続けていくことで、上達していくのが分かります。継続は力なりということですね。

このように、小学校、中学校、高校とそのような機会が多々あったことでしょう。そして今、入試に向けて、課題文の要旨を100字、意見や考えを300字、小論文を800字といったように「○○字以内で述べよ」といった問題に取り組んでいる訳ですね。これらは、すべて一種の要約です。要は様々な形で「要約力」が試されるのです。人間は、聞いたり、読んだりした言葉を要約して記憶するというメカニズムになっているようです。それを、文に表現する、つまり記述による意識的な理詰めの作業とするのです。何より正確さが求められます。ところが回答に書かれたものをみると、以下のような正確さを欠いたものによく出会います。

●不要な部分が多い。そのため大切な部分を欠きがちである。

●文章の筋が通っていない。つまりねじれた文章になりがちである。

●ばらばらな文の寄せ集めとなり、全体として意味がとれない。

これは、要約に関する書籍で述べられていたものです。実際、そういった答案も見かけます。これは、要約の一種に含まれる小論文でも言えることなのではと思いました。やはり、どのような文章であっても、大切な要素なのでしょう。このような点には、気を付けていきたいものです。

また、先程あったねじれた文章について、防ぐ方法を挙げておきます。

●書き始める前に文章の概要を決める

●主語と述語の対応を確認する

●修飾語は最小限に抑える

●複数の主語と述語を一文に用いる重文・複文は多用しない

●文章全体の論点と結論の対応を確認する

文章のねじれは、頭の中で思いつくままに、文章を書き始めると起こりやすくなります。上記の点を考慮し、書き進めていきたいものです。ゆえに、様々な文章を書く問題に取り組む際、限られた文字数、限られた時間の中で、いかに上手く表現していくかが、課題になるかと思います。1分間スピーチは、300文字程度とも言われています。筆記はもちろん、面接の際にも要約力は試されるのです。日常的にも、少々複雑なことを一言でまとめる能力、物事の内容を掻い摘んで相手に説明できる能力は、様々な場面で威力を発揮するでしょう。常日頃から新聞やインターネットで読んだニュース、見た映画、読んだ小説などを「ひとこと」で言えるように、要約力トレーニングをしてみてはいかがでしょうか?大量の情報を要約する力が身についていくことでしょう。

入試はもちろん、将来の様々な場面で必要となる「要約力」をさらに鍛えていきましょう。