今年のリアルな推薦入試事情(続)有名私大の指定校推薦枠のダブつき
昨日公開されたスタディサプリ「#高校生なう」の記事、Yahoo!ニュースにも先ほどの記事が掲載されました!
この記事に関連してブログを書いたところ、多くの反響をいただきました。
『今年のリアルな推薦入試事情』
そうしたところ、親愛なる関西の高校の先生より、このようなお話を伺いました。
- 関西では、人気私大の指定校推薦がダブついている
この話、別の関西の高校でも聞きました。その話を念頭に置き忘れた…そのような経緯から、続編を書いてみようと思い、筆を執りました。
人気私大のダブつきが起こる原因は、以下の3つだと思われます。
- 求められる評定平均の高さ
- 履修科目指定
- 外部検定試験のスコアなどの指定
1について。
大学の入学者抑制の流れを受け、一般入試で軒並み難化しました。
昨年は「指定校推薦が勝ち組だ」と言われたのは、それが理由です。
この状況を大学から見ると…
「我が大学にいい人材が入ってきた!」となります。
(ある大学の教授会では「一般入試で学力の高い高校生が得られたから、もう推薦やAOを止めて、一般入試だけにしたらいいのではないか」との意見が出たとのこと。いやいや、それは高大接続改革の主旨から逸脱するでしょう、と突っ込みを入れたくなりました)
この状況を鑑みて、指定校推薦の評定平均を思いっきり上げた大学が見られます。
今まで「3.5以上」だったのが「4.0以上」となった大学も。これは驚愕でした。
2について。
指定校推薦入学者の粗相というのは、高校にとって大迷惑。
入学後に成績不良や退学といった不祥事を起こすと、推薦枠剥奪という事態が生じます。
こうした問題の要因はミスマッチ。本人の興味や関心と学部(大学)が合わなかった。
そうなると、ミスマッチを防ぐために、高校での履修科目を指定する、という手段が取られます。
たとえば、経済学部志望者に「政治・経済」、生命工学科志望者に「生物Ⅰ・Ⅱ」などを指定することになります。
そうなると、高3で該当する科目を履修していないケースが起こり、指定校推薦枠を取りたくても取れない事態が生じます。
弊塾にも「自分が希望する学部の指定校推薦が科目履修の制限があって取れなかったから、公募推薦へ」という生徒さんが複数いらっしゃいます。
3について。
最近多いのがこのケースかと思います。
英検やTOEFLなどのスコアが指定されているケースです。
この流れは、関関同立の指定校推薦でみかけたことがあります。
たとえば、難関大学だとCEFRでB2レベル(ざっくり言えば英検2級程度)以上、中堅だとB1以上(英検準2級以上)あたりになるでしょうか。
しかしながら、外部検定試験を受験しない学生が多いところでは(たとえば模試は必須だが検定は任意という学校)、そもそもスコアをもっていないので、枠が得られないということになります。
そういう高校生はかなりいるのではないかと、私個人の印象としては思います。
必死に自分磨きをする高校生、そんなに見たことがないなぁ、と。
高校によっては、模試の成績を推薦枠を得る条件と課すところがあり、その水準が高すぎて、推薦枠が得られないということも起こっているとのことでした。
指定校推薦枠のダブつきは、結局のところ「受験生の日頃の積み重ね不足」に尽きると言えます。
こうした要件を満たさない受験生が要件の緩い人気大学の指定校推薦枠に集中し、玉突きが起こる。
そして、評定も高くなく、資格やスコアを持たず、部活動での実績もない、普通の高校生が玉突きで追い出される。
その後、公募制推薦へ流れるか、志望すらしていない大学・学部・学科の指定校推薦枠を取って「枠が取れて御の字だ。行きたいところではないけれど、浪人しなくて済む」とミスマッチの道をたどるか、というところなのかと…そう思うと、切なくなりますね。
何のための大学進学なのだろうか…
弊塾では初回無料で、代表の神崎がご相談を承ります(要予約)。
入塾云々は別にして、色々お話ができればと思っています。
今まで書いた小論文や志望理由書、入試問題、要項等をお持ちになって、お越しください。