視点を変えて見る

東です。暑い毎日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。長いお休み、日頃できない体験をする、ゆっくり物事を考えるなど、様々な時の過ごし方があるでしょう。こうした夏の頃、学校のお便りにあった「3つの目」を思い出します。近づいて様々な角度から物事を見る「虫の目」、高い位置から全体を見渡して見る「鳥の目」、時の変化や場の変化等の流れを感じとり未来を察知する「魚の目」、この「3つの目」で、物事を総合的に理解し判断することが大切であるということです。過ごし方の提案として挙げられたのでしょうか。

さて、日頃文章を見ていると、一生懸命書いていて、あれもこれもとついつい一文が長くなってしまっているのだろうというものがあります。要素を盛り込みすぎて、意味が分からなくなった状態で、何が本質か見えにくくなっています。言葉一つ一つに目がいってしまい、全体が見えなくなっているのではないでしょうか。このような時、視点を変えて見ると、繋がりの違和感に気づくでしょう。以下は校閲関係の書籍からの抜粋です。①を直したあとの文章が②です。

  1. もう一つ感じたのは、今回男子生徒が前を向いて歩むことができた大きな要因の一つは、彼が持つ「表現する力」だと思った。
  2. もう一つ感じたのは、男子生徒が持つ「表現する力」だ。これは今回、彼が前を向いて歩むことができた大きな要因の一つになったと思う。

長い構文で、主語・述語・修飾語が複雑になると、間違いでなくても読者の頭にすっと入らなくなることがよくあります。そんなとき有効なのは、一つの文を短くすることです。つながりの悪い文は、二つに分けると一気にすっきりします。

上記の例では、それほど長い文章でもないですが、整理すると理解しやすい文章になっていることが分かります。しかし、中には何行にも渡って一文で書かれているものもあり、この場合、全体を見た際に、さらに複雑極まりない、理解しがたい状態になってしまっていることを発見することとなるでしょう。このように、文章を書くこと一つをとっても、視点を変えるだけで見えてくるものがあります。一文から段落、そして全体へ、視点を変え「3つの目」を参考に見直してみるとよいのではないでしょうか。そして、AO入試では様々な文章を書くこととなります。例えば、志望理由書において今度は内容自体について考えてみます。

「自分自身」について、十分に振り返り理解しているでしょうか?

「進学先」(学部・学科・研究)について、十分に調べ理解しているでしょうか?

「目指す職業」について、十分に調べ理解しているでしょうか?

それぞれについて十分調査及び考察し、それらを総合的に理解し判断することが大切になってくるかと思います。「虫の目」で部分把握し、「鳥の目」で全体把握します。そして「魚の目」で流れ把握するのです。すべてに一貫した繋がりがあり、流れがあるはずです。そこで違和感がある場合、何かが違い、見直す必要があるということです。同じ見方では気づかないものが、視点を変えると見えてくるものがあるでしょう。視点を変える参考の一つとして「3つの目」を活用してみてはいかがでしょうか?