AO入試で気になる”志望理由書”のミス 「過去」「現在」「未来」を一貫させる?
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代表の神崎です。
久々のブログ更新です。
最近は様々な高校で出張講義が続く中、東進ハイスクールでの映像収録も進め、講演会にも呼ばれております。お陰様で毎日大忙しで、楽しく過ごしております。
また、弊塾の受講生も増えてきて、特に志望理由書と格闘する生徒が多くおります。
先日、ある教育系のテレビ番組を見る機会がありました。
ちょうど「志望理由書」の書き方について放送されていました。
その番組を見て色々と思うところがあったのですが、おそらく本質的な部分が欠けた放送だったように見受けられましたので、ここで私なりに補足をしてみようと思います。
①「過去」「現在」「未来」を一貫させる
これはその通りだと思います。
しかし、これを表層的に捉えるとこんな感じになります。
「今この大学のこの学部に入りたい(現在)。これに関連する過去の体験を探してみよう(過去)。そして将来はどう生きるかを考えよう。(未来)」
よくありがちな流れだと思います。
ただ、「現在」→「過去」の流れを汲むときに、論理的な破たんが起こりやすいのです。
例えば…
私は少人数制で実践的な講義が多い〇〇大学経済学部に入学したいです。(現在)
なぜなら、日本の経済をよりよいものにしたいからです。(過去)
よくありがちなのは、大学・学部の特徴をオープンキャンパス等で確認してから(今回は少人数制・実践的授業)、過去の動機(今回は日本の経済をよくする)を探るケースです。
しかし、「過去」の話が必ずしも大学選択の理由にならないのです。
- 日本の経済をよくするためには、ほかの学部でもよいのでは?経営学部も、社会学部も、政治学科もあり得ます。
- 仮に経済学部だとして、少人数制・実践的授業は多くの大学で行われているので、その大学を選ぶ理由にはなりにくいのでは?
この「現在」→「過去」のパターンで考える高校生の9割9分は論理的に破たんします。簡単に言えば、採点者から突っ込みが入るような状態です。
このケースで書けた気になっている高校生も数多くいますね。
だから私はいつも高校生の指導のときに言っています。
「過去」の体験から、探究したいことを探ってください。
学部・学科を「最終的に」決めるのは、そのあとです。
大学を「最終的に」決めるのは、学部・学科を決めた後です。
私から見ると、大学や学部を決めてから過去を振り返る(というか、ネタを無理やり探る)というのは不自然極まりないのですね。
それは大学・学部ありきで決めていて、その決め方が乱暴だからなんですよ。
偏差値や自分の学力、なんとなくのフィーリング、大学の存在意義を理解しないままでの選び方、資格や留学の方便としての選択。施設がきれい、みたいなので選ぶ人もいます。
私から言えば、そういう大学の選択の仕方は軽薄です。
大学をレジャーランドと捉えていたり、「勉強したい」レベルで「研究」という主体性を欠く状態で選ぼうとしていたり。
「勉強したい」レベルなら、ネットや書籍で調べればできますし、高い学費を払って大学に行く必要はないと思うのですが…
「学位を取り、就職したい」という思惑は理解できますが、開けっぴろげに話すことではないですよ。だって、大学は就職予備校ではないですからね。
大学は「学び」の場であって、自らが学びたいという思いがあるという前提で、ようやく学部・学科を選び、学ぶ環境として最も整っている大学を選ぶ、という筋がなぜ描けないのかと、いつも思います。