AO入試の学力試験義務化の流れについて
代表の神崎です。
マニアックな記事を懲りずに書き続けております。
さて、先日AO入試に関する報道がありました。
AO入試も学力試験義務化 国公私大、20年度から
この方針について、賛否両論ありますね。
AhoでもOkな試験というイメージが払拭されるとか、勉強しなくても受かるのはずるいという一般入試受験生からのやっかみ半分の言い分とか、色々ありますね。
一般的なとらえ方だと「受験生の学力を測る試験=学力試験 」「 コミュニケーション能力を測る試験=AO入試」という感じでしょう。
でも、AO入試はあくまでもAPに即した受験生を確保することが目的の試験ですから、コミュニケーション重視という話は筋違いかと思います。
コミュニケーション能力が高い高校生は有利という側面はありますが。
一方で、AO入試に学力試験義務化に諸手を上げて賛成できないんですよ…私。
私は「大学での探究活動と高校の教育活動がリニアに結びついていない以上、高校の教科の学力を基準にAO入試を行うことの義務化に疑問を抱く」という立場です。でも、制度自体は大学が設計すればいいし、アドミッション・ポリシーに掲げればいいから、そこは多様であっていい。そう考えています。
だから、幅広い教養を持つ学生が評価されてもいいし(高校までの学力があるから教養があると言ってよいのかという議論はありますが…)、とことん特定の分野を掘り下げる学生がいてもいい。後者の学生は、必要に応じて横断的に専門性を広げればよい。
でもAOの学力試験を義務化した場合、しかも学部・学科での学びと学力試験の関係性を保たないままで、新テストを5教科7科目やりますとか、古文と漢文を試験に課しますとか言ったら(必要なら古文や漢文は実施すべき)、後者の受験生やそういう受験生を求める大学には息苦しい制度だと思うんですよねぇ…