取り組みのかたち

 こんにちは、高山です。教員をしている同級生と久々に会い、高校3年生の担任となった友人と、カリキュラム、進路指導、生徒たちの様々事について話をしました。母校は高一貫、大学の附属校であるため推薦率は高く、指定校もありますが半数以上がが内部推薦です。早々に進路が決まった生徒にはレポート課題が多く課されますが、その際は手書きではなくPCを使用することを必須としているそうです。最近ネットニュースで興味深く読んだ事柄とリンクしましたが、スマートフォンやタブレットの普及によりキーボード入力が苦手な学生が増えていて、大学生になってからの学業、課題に差し支えないようにする事が目的の一つだそうです。

 現在の40代前後の人たちが社会に出た頃は、PCのスキルが必須と強調されWordやExcel、そしてPC入力の速度も求められ必死に取り組んだ時代でした。その後「PCが使える」は「PCを使用して目的に対処できる」と同意語とされ、ある一定は当然出来るものとされてきたように思います。全てがアナログ作業であった頃は、長い文章を書く作業もひたすら紙と消しゴムを消費して推敲を重ね完成を目指していました。私の修士論文は6万文字程でしたが、幾度となく校正作業を繰り返しながら「PCがある時代でよかった」と心の底から思ったものです。

 課される内容は様々ですが、推薦入試、AO入試における自己推薦書や志望理由書、小論文などの文章作成が必須となる場面にも、このPC入力を関連させ考えてみて欲しいと思います。志望理由書などの添削をしていると、これは下書き無し、推敲無しの一発勝負だろうと思う文章に多々遭遇します。授業時などに書く場合はPC使用が不可能であると思いますが、自宅に持ち帰るなど時間の猶予がある場合、ぜひPCを使って文章を考えることをしてみて下さい。手書きも大切ですが、加筆修正を繰り返す際はPCを活用すると能率に格段の差が出ます。また、様々なパターンで文を書き、それらを整理して読み返しやすくしておく事も後々の勉強になると思います。

 訓練をせずに考えや意見を明確に文章化し、完成度の高い内容とする事は非常に難しい事であると思います。そして、与えられた課題に沿った文章をまとめる時には「どのような内容にするのか」と同時に「どのように文章化するのか」という、連動しつつも別のスキルが必要となります。更に、それが本当に目的に適した出来となっているのかを正しく評価する目も必要です。全員、とは言えませんが、受験生である高校生だけの能力においてこれら全部をカバーすることは不可能に近いと思いますし、それは大人の参加があってもなかなか難しいのではないでしょうか?何度も書き、何度も指導を受け、何度も直すということは重要です。そんな「何度も」において可能な限り無駄を省き、能率を上げて取り組むことも必要であると思います。人により適した手段は異なると思いますが、文章をPCで作る練習もぜひ取り入れ、目的に向かってより良くなるよう取り組んでみて下さい。