理由の紡ぎかたの再考
代表の神崎です。
懲りずにマニアックな記事を担当しております。
小論文や志望理由書、自己アピール文を含めた、いわゆる論理的文章は「なぜその主張をわざわざ他者に伝えるのか?」という理由説明が求められます。
自分自身が重要だと考えるから主張するわけで、なぜその主張が誰にとって、どういう側面で重要なのかを伝え、読み手に納得してもらうわけです。
この主張が「これってとても問題だよ!」というものなら、なぜそれが、誰にとって問題なのかを伝えます。
論理的文章における理由説明は、意見の重要性・問題性を論じる
- 意見(主張)が+のニュアンスなら、理由は重要性を述べる
- 意見(主張)が-のニュアンスなら、理由は問題性を述べる
ただ、その立案の過程でよく思考が止まるんです。
「なぜこれが重要(問題)なんだろう」…プツーン。。。と。
私は慣れでこの辺りの思考が止まらないのですが、そうでないと大概詰まりますよねぇ。。。
そのヒントになる記事を見つけました。
「なぜ?」をやめたら簡単に原因究明できてしまった話
http://www.commerce-design.net/blog-staff/20170418-howcome/
この話の核はここにあります。以下引用。
結論としては、「なぜ?」の代わりに「何があったの?」を使います。たったこれだけで、スルッと原因が出てきやすくなります。
あぁ、理由を考えるときに「なぜ?」と問うから出てこないんだ、と気付いた瞬間でした。
理由だから「なぜ?」と問うということをクリティカルに見ていなかった。。。
小論文の世界だと、テーマにもよりますが、無理やり抽象論を引き出そうとすることがあって、それができない生徒が思考を止めてしまうんですよね。
具体的事例を見つめることはメタ化を誘発するので、帰納的な思考もとても大切だと思っています。
それがこの問いでできるとは。。。
目から鱗ってこういうことなんですね。
ここまでの話に関連して、Facebookで友人が「あなたの弱みは?」というAO入試や推薦入試にある面接試験の話をしておりまして。
でも、どストレートに弱みを尋ねても、本当のところは引き出せないですよね。身構えるし。
ということは、弱みに関する事例を引き出した上で、メタ化する手続きを踏めばよいのでは?と思ったんです。
- 「人生の中で最もあなたがピンチを迎えた(苦しかった)と思える体験は?」(体験を引き出す)
- 「何があったの?」(体験の言語化)
- 「どうしてそう思ったの?」(体験の経験化)
- 「どういう心の動きや環境が引き起こしたのだろうか?」(経験の掘り下げ)
- 「どうしたらあなたにとってよい生き方や在り方になるかな?」(未来思考)
面接官の側も、いかに相手の特性を引き出すのか、問いの設計をしっかり行うことが大事なのでしょうね。
体験の経験化、対話を通したリフレクションですね。まさに。