『人工知能と経済の未来』を読んで その1

最近、話題になっている人工知能に関する研究や実用化がさらに進展すれば、産業社会の構図がどのように変わり、これを支える将来の経済の仕組みはどうあるべきかというユニークなテーマを扱っています『人工知能と経済の未来』について、ご紹介していきます。

初めて、このコラムを担当させていただくことになりました矢浪と申します。カンザキ塾のあります神奈川県の横浜市に在住しております。よろしくお願いいたします。

このコーナをご覧の皆様は、AO入試や推薦入試等に関心を持たれている大学への進学前の高校生の方が多いかと思います。

ただ、AO入試の試験で志望理由を書く場合でも、どのような研究に取り組みたいのかというところが重要になってきますし、また、その大学のその学部に入りたくなった理由以前に、そもそも、どうして、その分野に関心があるのかという点が問われます。

私の方は、このようなAO入試以前の段階を踏まえて、ご自身の関心分野を見つけられる上で、書籍紹介を含めて、参考になりそうな話題を中心にお届けしたいと思います。

また、今回のように連載の形をとることがあるかもしれませんが、そのような中でも、時期的に優先させたほうがよさそうな話題がある場合は、そちらの方を取り上げさせていただくこともあるかと思いますので、ご了承願います。

さて、これから何回かに分けて、ご紹介していきます井上智洋著『人工知能と経済の未来』(文春新書)は、最近、話題になっている人工知能に関する研究や実用化がさらに進展すれば、産業社会の構図がどのように変わり、これを支える将来の経済の仕組みはどうあるべきかというユニークなテーマを扱っています。

特に、AI等のコンピュータ・サイエンスや経済学部を志望される方には、直接、関係してきますので、必読書として推薦させていただきます。

それから、この本には、「2030年雇用大崩壊」というサブタイトルが付されておりますが、大学で情報科学や経済を専攻されない方も、今後の長い人生で関わる仕事の一部、また、分野によっては全部がAIロボットやコンピュータに、次第に、置き換わっていくことは確かですので、このような状況の中で、どうやってクリエイティブなキャリア・デザインを描くかが重要になってきそうですね。

AO入試の対策に限らず、実際に、就職された後でも、どのようにコンピュータと付き合っていくか、あるいはAIをどう活用していくかが解決すべき懸案になってくることも多いかと思います。

このようなときに、もちろん、仮説ではありますが、この本で描いているような未来社会に関する大きな構図が頭の中にあるのとないのとでは、かなり、差が出てきそうな気がします。

また、この本を、是非、購入いただき、じっくりと読んでいただきたいというのが、正直なところですが、私自身の方針としましては、買って読まれない方でも、このコーナをご覧いただいただけでも、見聞が広がると同時に、今後、ご自身の研究分野を模索されたり、キャリア・デザインを描かれるうえでのヒントが得られたりするような形で、取り上げていきたいと思います。

ただ、著作権法上の制約もございますので、あらすじを詳細にご紹介することは差し控えたいと思いますので、ご了承いただければ幸いです。

幸運にも、すでに購入済みの方や、次回までにこの本を購入された方は、この連載を読む必要がないかと思われるかもしれませんが、理解のご参考になりそうな、私なりの雑感のようなものも書かせていただきます。

ですので、そのような向学心旺盛な方も、この連載のタイトルを見かけられた時は、復習というよりも、このテーマへの考えを深める意味でも、是非、クリックして、ご覧いただければ幸いです。

それでは、この本は、主に人工知能と経済の関係を取り上げていますが、次回は、まず、人工知能の方を中心にご紹介させていただければと思います。

今後とも、よろしくお願いいたします。