AO入試って難しい?難易度や倍率について解説!

近年、AO入試を実施する大学が増えてきました。背景には、グローバル化によって多様な人材を社会が求めるようになったことがあります。また、数年前に比べてAO入試を利用して大学受験をしたいと考える人も増加傾向にあります。

そのためAO入試に合格するためには、これまで以上に準備が必要となってきました。しかしながらAO入試の種類が増えたことによって、趣旨や難易度について学校レベルで正しく理解するのは難しくなりつつあります。

そこで今回は、「AO入試とは何?」ということからAO入試に向けた準備まで丁寧に解説していきます。どのようにして勉強すれば良いのかがわからずに困っている方もぜひ参考になさってください。

■AO入試って何?

AO入試とは、Admissions Office (アドミッションズ・オフィス)入試といって、面接や小論文などの試験によって、その大学への適性を評価する入学試験のことを言います。

もともとはアメリカで導入された試験なのですが、日本では1990年に慶應義塾大学が始めて導入しました。

現在では
・慶應義塾大学
・早稲田大学
・上智大学
・関西大学
・横浜国立大学
・東京薬科大学
などの全国の大学でAO入試が実施されています。


■AO入試の難易度はどれくらい? 合格率もチェック!

「AO入試」といっても各大学によって問われる能力が異なるため、難易度は偏差値では測れません。この点が筆記試験だけの一般入試との大きな違いです。

例えば、慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部(SFC)では、A方式・B方式・C方式・IB方式・グローバル方式とさまざまな枠が設けられ、試験内容もそれぞれ異なります。

小論文や面接・グループディスカッションなどの思考力が問われる試験に加えて、高校での評定・課外活動の成果など、「これまで行ってきたこと」も評価に入ります。

合格率としては、慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部(SFC)で言えば2学部合計で1,440人が受験して合格者数326人ということですので、約4.4倍の倍率。 (2016年度)
一方、同学部の一般入試では2学部合計で6,331人が受験して合格者数933人ということですので、倍率は約6.8倍となり、AO入試よりも一般入試のほうが合格率が低く、倍率が高い結果となっています。


「学力が関係ないから簡単に入ることができるのでは?」と考えられやすいAO入試ですが、

・求められる能力の幅広さ
・高校時代に行ってきたことも評価されること
・合格率も一般入試に比べてもそれほど高くないこと

を考えるとAO入試の難易度としては決して低いとは言えないでしょう。

■AO入試の対策はどうしたら良い?

では、AO入試に合格するためには、どうすれば良いのでしょうか。

AO試験は、暗記系の知識が問われるような筆記試験がほとんどないため、「とりあえず受けてみたら運が良ければ受かるのでは?」と考えて受験する人も少なくありません。

しかし、AO入試というのはたまたまで合格するようなものではありません。一般入試と同様に事前準備が必要になります。


〇出願資格の確認
まずは、志望する大学の出願資格を確認します。先ほどもご紹介した慶應義塾大学のSFCのB方式では、
[高等学校での学業成績が優秀で全体の評定平均値4.5以上(4.5を含む) の者]
という条件があります。

高校での評定平均が4.5以上なければ、受験することができないということです。このような出願するための要件をあらかじめ確認しておくことからスタートしましょう。


〇志望大学が求める人材を確認
さらに、AO入試で重要なことは、志望する大学を熟知することです。アドミッションポリシー(入学者受入方針)などから、大学はどのような人材を求めているのかを意識しておいて下さい。

また、その大学で何を学ぶことができるのかという点も一通り調べてみることも大切になってきます。

これらのことを押さえておくことで、「どうしてこの大学なのか」「この大学で何を学びたいのか」という志望理由(面接などで何度も問われる内容)がはっきりしてくるでしょう。

〇小論文の対策
そして、小論文の対策も必要です。かなりのボリュームの文章を時間内に書き終えるためには日々のトレーニングも欠かせません。

その上で、志望大学の傾向を把握しておくことも忘れてはいけません。「課題論述型」や「資料分析型」など、小論文にはさまざまな形式があり、その大学の過去問から傾向をつかんで合格点をつかむ書き方を身につけましょう。

■まとめ

今回は、AO入試の難易度や合格率、さらにはAO入試に合格するための準備などについてご紹介してきました。

最後に紹介した「AO入試の準備」ですが、簡単ではありません。なぜならば、AO入試について教えてもらえる人が身近にいないケースが多いからです。

学校の進路指導の先生は、一般入試について詳しくても、大学ごとに入試内容が異なるAO入試の全てを熟知していることは考えにくいです。さらに、学力向上を目的とする塾でも、AO入試のための小論文の添削や面接対策を丁寧に行ってくれるところはなかなか多くありません。

現状で、AO入試を利用して行きたい大学があるけれど、


・何が必要なのか全くわからない。
・面接や小論文をしっかりと教えてもらえる環境がない。


という人は、AO入試を専門にした先生のもとで学ぶのが合格までの近道です。