
考える力を伸ばす
東です。第一回となる「大学入学共通テスト」が実施されました。その内容については、「思考力や判断力がより重視されるようになり、多くの科目で問題文や扱う資料の分量が増えていて、知識を活用して読み解く力が求められる」(NHK NEWS)といったものであったようです。
このように、共通テストにおいては、これまでのセンター試験より、読み解いて考察しながら解答を導く、要は読解力と共に思考力も要求されるように思われます。そして、総合型・学校推薦型選抜においては、考えを文章化する力を試す最たるものである小論文や志望理由書などが選抜基準となってくる訳ですから、従来同様、思考力は要求されるものでしょう。
そこで、『13歳から身につける一生モノの文章術』(近藤勝重)より、考えを文章化する際の参考に3つを取り上げ、以下へ紹介します。
1.文末に多用しがちな「思う」「考える」「感じる」
「思う」→この三語のうち「思う」は取っても文意は通じる場合もあります。他の言葉に書き換えるのであれば、「信じる」「願う」「想像する」「判断する」「希望する」「予想する」「気づく」など、胸中での判断や思いと関わる言葉から選択すべきでしょう。
「考える」→「考え込む」「頭を働かせる」「検討する」「悩む」
「感じる」→「心を動かされる」「感じ入る」「胸にくる」「感心する」
いすれも書き替えればいいというのではなく、それら三語を用いず書くことを心がけてください。
※小論文などの答案においても、文末に多用されているのを見かけます。こちらを参考に、同じ言葉が連続になるといったことがないように、文末の表現を考えてみましょう。
2.体験による気づき
体験によりどのような気づきがあったのか、そこからさらに思考を深め、物事の本質や真実に迫ることで、気づきの価値が一段と増します。当たり前でないことに気づき、自らの物の見方、考え方に意表を突く角度から捉えるよう努めましょう。
「体験」体験したこと
「気づき」その体験を通して気づいたこと
「普遍性」その気づきがどう社会とかかわっていくか
※志望理由書においても気づきを大切にし、思考を深めていくことが必要でしょう。志望先を決めていく過程に様々な気づきがあり、その気づきにより、方向づけられていくように考えられます。
3.考える力を伸ばしていくために
●「判断力」「創造力」「洞察力」「問題解決力」「理解力」「決断力」などにより、書くべきことの是非を様々な面から自問自答する
●世の中はどこへ向かっているのか、その中で自分はどうあるべきかという根源的な考察をし、目的意識をもつ
※これらは、考えを文章化する上でも、自分自身の目指す将来を決めていく上でも、大切なことのように思われます。
1~3と挙げられた内容からみても、具体的な言葉の表現を考えることから、自分のあるべき姿、そして世の中の動向を考えるといったところまで、一言に考えを文章化するといっても、それぞれによりその思考は多岐に渡ります。様々な考える力を伸ばしていくために、これらが少しでも役立てばと思います。