京都大学特色入試の過去問公開

代表の神崎です。
京都大学特色入試(平成31年度)の過去問が公開されました。

一通り眺めてみましたが、ブルームのタキソノミーベースで語ると、C軸(創造的思考)の領域を意図した(もしくは飛べる)問題が8割以上の学科で出題されていることには驚き。去年はこんなだったっけ?
もしかしたら、私が去年書いた『小論文のルールブック(KADOKAWA)』が効いたのかもしれないなぁ…それは言いすぎかな。
時代の流れだと思います。

以下、C軸に関わる設問のみ抜粋
(ここに示されていないのは、未公開か、そもそもC軸を尋ねていない学科かのいずれか)
 

・総合人間学部(文系総合問題)
「あなたが小論文の出題者の立場ならば、この文章(注:武満徹『暗い河の流れに』)からどのような問題を作成するか」
・総合人間学部(理系総合問題)
「水素のような燃料を人工的に製造するには、エネルギーが必要である。そのエネルギーを生み出す過程も含めて、式1の化学反応による方法以外で二酸化炭素をできるだけ排出せずに水素を得る方法を述べよ」
文学部(「学びの設計書」に関連する論述試験)
「1936年に発表された次の文章(注:三木清『教養と時代感覚』の一部)を読み、そこで述べられている「教養」に対する筆者の見解についてどう考えるか、あなたが学びの設計書に書いたことと関連付けて述べなさい」
・文学部(論文試験)
「あなたが歴史を書くとしたら、どのような出来事について、どのように叙述したいか」
・医学部人間健康科学科(論文試験)
「英文と表1~3から読み取れる現在の日本の状況をかんがみて、あなたが志望する職種は、どのような役割を担うべきか」
「機械学習技術は、あなたの志望する職種において、どのように活用されうるか。あなたのアイデアを、それによって得られる効果と、実現するための課題とともに述べなさい」
「これからの医療職に求められず人材について『スペシャリスト』『ジェネラリスト』『I型』『T型』『TT型』を踏まえ、あなたの考えを述べなさい」
・薬学部(論文試験)
「冒頭のイラスト(注:DNAの螺旋と、その上に自動車が列をなして動いているイラスト)が象徴するような状況を変えるにはどうすればよいか。筆者の分析結果から導かれる結論を踏まえた上で、自分の考えを具体的に述べよ」
・農学部応用生命化学科(小論文試験)
「パイナップル果汁に含まれるたんぱく質分解酵素がこのような性質をもつかどうかを確かめるために、どのような実験を行えばよいか、対照実験を含めて具体的に提案しなさい」