早稲田大学のAO入試の傾向と対策【AO入試・グローバル入試・創成入試】

AO入試では学力試験の内容や出願条件が学部や学科によって違います。そのため「思っていたほど準備ができていなかった……」と後悔してしまう学生も多くいます。AO入試では準備期間が短いため、適切な準備を短期間にできるかが受験合格の分かれ目です。

例えば、慶応義塾大学は「高校でやってきたこと」と「大学時代にやりたいこと」の継続性を重視します。一方で早稲田大学は、高校時代にどのような「成果」を出したか、将来社会にどのように貢献したいかを重視する傾向にあります。このようにAO入試では、大学や学部ごとに大学側が「どのような学生を求めているのか」を捉えて準備するのが大切です。

この記事では、早稲田大学AO入試の「出願要件」や「対策」など、今チェックしておきたいことをご紹介します。これからAO入試を受ける可能性がある方はぜひ参考になさってください。

※なお、正確な日程や概要の詳細は、毎年4月上旬に発表されています

AO入試・推薦入試を行っている学部一覧
・国際教養学部 【AO入試】国内選考
・政治経済学部 グローバル入試
・創造理工学部 早稲田建築AO入試
・創造理工学部・先進理工学部特別選抜入試
・スポーツ科学部 トップアスリート(AO方式)入試

■早稲田大学 国際教養学部 【AO入試】国内選考
出願資格
国際教養学部のAO入試(国内選考)は、日本の高等教育機関の卒業が見込まれる生徒が出願できます。選考では、偏差値で評価される学力に加えて行動力や思考力など問題を解決するための能力が重視されます。

出願書類として「志望理由書」「成績証明」「学業以外での課外活動の証明書」「英語能力試験のスコアカード・合格証明書」の提出が必要です。

スケジュール
出願2017年度実績
出願期間:9月上旬(2016年9月1日~9月15日)
筆記試験:10月下旬(2016年10月30日)
合格者発表:11月下旬(2016年11月24日)

難易度
全学科:約3.3

傾向と対策
早稲田大学国際教養学部のAO入試には、面接はありません。しかし書類選考では、これまでにどのような活動を行い、どのような成果を達成したかが重視されます。そのため、行動力と思考力をアピールできるように対策をするのが効果的です。

また、筆記試験の「Critical Writing」では、高い読解力・論理的思考力・問題解決能力が求められます。昨年度の倍率は、一般試験の4.3倍と比較してAO入試は3.3倍低めですが、十分な対策が必要です。


■早稲田大学 政治経済学部 グローバル入試

出願資格
出願資格は、「早稲田大学政治経済学部で学ぶことを強く希望する者である」ことです。出願時には、「入学志願票」「課外活動の活動報告書」「課外活動の内容証明書」「英語能力試験のスコアカード」が求められます。

英語能力試験のスコアについては、TOEFL・TOEIC・IELTSの出願基準や合格基準はありません。それよりも入学を志望する理由を書く「入学志願票」が大切です。

スケジュール
出願2017年度実績
出願期間:8月上旬(2016年8月1日~8月3日)
一次試験(論文):9月上旬(2016年9月4日)
一次試験合格発表:9月中旬(2016年9月15日)
二次試験(面接):9月下旬(2016年9月25日)
合格者発表:9月下旬(2016年9月29日)


難易度
全学科:約4.2

傾向と対策

国際分野で活躍できるグローバル・リーダーの輩出を目指している早稲田大学政治経済学部。グローバル入試で重要視されるのは志望動機です。国際レベルの政治家として具体的にどのようなことを行いたいかを十分に考える必要があります。

論文審査では、自分の意見を表現する力。面接では、「社会に対する問題をどのように解決したいか」という意思や熱意が評価される傾向にあります。一次試験と二次試験の期間が短いため、二次試験を見越した対策が不可欠です。


■早稲田大学 創造理工学部 早稲田建築AO入試

出願資格
早稲田建築AO入試の出願条件は、創造理工学部建築学科を第一志望としていることです。また、卒業までに「数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B」の履修と理科の単位所得数が10単位以上あることが必要です。

出願するときは基本的な書類の他に、志望理由や入学後の抱負などについて書く「志願者自己報告書」、活動実績について詳しく書く「活動実績報告書」、推薦状が必要です。

スケジュール
出願2017年度実績
出願期間:9月上旬(2016年9月14日~9月23日)
書類選考合格発表:10月上旬(2016年10月11日)
第二次選:10月下旬(2016年10月29日)
合格者発表:11月上旬(2016年11月8日)

難易度
建築学科:約2.7

傾向と対策
一次試験は書類選考です。書類選考で重要なのは、志願者自己報告書と活動実績報告書です。特に活動実績報告書では、具体的な活動内容や成果が求められます。

二次選考は筆記試験と面接試験。鉛筆を使ったドローイングや文章説明が出題されます。面接試験では、自己PR資料を使ったプレゼンテーションです。試験では全体を通して、社会問題をどのような方法で解決するかが評価されます。中でも「創造性」と「リーダーシップ」が重要なキーワードです。


■早稲田大学 創造理工学部・先進理工学部特別選抜入試

出願資格

特別選抜入試は日本数学オリンピックや高校生科学技術チャレンジで一定の成績を残した人が出願できます。また、その他にも、出願学部を第一志望とすること、「数学(数学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、A、B)」「理科(物理基礎、物理、化学基礎、化学)」の授業単位を取得していることが必要です。

スケジュール
出願2017年度実績
出願期間:10月上旬(2016年10月12日~10月21日)
書類選考合格発表:10月上旬(2016年11月11日)
第二次選:11月下旬(2016年11月19日)
合格者発表:12月上旬(2016年12月2日)

難易度
全学科:約3.4

傾向と対策

一次選考は、将来の希望や学部・学科の志望理由をもとに書類選考が行われます。二次選考では、過去のコンテストの発表内容への口頭試問が行われます。希望する学部にあった対策を行うのが大切です。


■早稲田大学 スポーツ科学部 トップアスリート(AO方式)入試

出願資格

オリンピックや世界選手権に出場した経験や、国際レベルの競技能力がある人が出願できます。また、本出願する場合は、6月から8月に3回行われる事前セミナーのいずれかに参加する必要があります。

スケジュール
出願2017年度実績
事前セミナー申し込み:5月上旬、6月中旬、7月下旬
事前セミナー:第1回6月上旬(2016年6月4日)
第2回7月中旬(2016年7月16日)
第3回8月下旬(2016年8月22日)
第1回出願期間:7月下旬(2016年7月20日~8月5日)
第2回出願期間:8月下旬(2016年8月19日~8月27日)
書類選考合格発表:9月上旬(2016年9月5日)
第二次選:9月中旬(2016年9月12日)
合格者発表:9月中旬(2016年9月15日)

難易度
全学科:約2.6

傾向と対策
トップアスリート(AO方式)入試では、世界のトップレベルで戦うために自分で計画をたて必要な能力を吸収する意欲ある受験者を求めています。学生時代の部活動で残した成績が重要です。


■まとめ
早稲田大学のAO入試は、一般入試と比較して倍率が一倍ほど下がります。また、評定平均や偏差値による出願制限もありません。しかし、基礎学力を前提としているため他の難関大学と比較してもAO入試の難易度は高めです。

志望動機の作り込みや実技試験など、一般受験やセンター受験とは内容が大きく異なりますが、ポイントをおさえて勉強すれば今からでも合格できる可能性はあります。そのためには、受験する学部の傾向に合わせて「書類」「筆記」「面接」などの大学受験勉強をすることが大切です。