新刊『小論文のルールブック』刊行
通算20冊目、最新バージョンのカンザキメソッドが詰まっています
代表の神崎です。
本日、私の新作『ゼロから1カ月で受かる 小論文のルールブック』(KADOKAWA)が刊行いたしました!通算20冊目となりました。

お陰様でAmazonでは品切れの様子で、ご迷惑をおかけしております…
正直申し上げて、今までの小論文の指導法や参考書でのテクニックは、指導者の経験則(そして類書のパクリ)が多かったように思います。
それをどうにか脱却できないか、業界水準を高めることはできないかと考えた末に記したのは、本著です。
今、高大接続改革や学習指導要領の改訂で教育業界は盛り上がっていますが、そこでよく話題になるのが「知識・技能」「思考・判断・表現力」「主体的・対話的・深い学び」という学力の三要素です。「習得」「活用」「探究」という呼び方をしているときもあります。
この分類、実は下敷きになる学習理論が存在します。
教育学者・ブルームのタキソノミーというものです。
さまざまなサイトで丁寧な解説をしていますので、参考までにURLを掲載します。
また、ブルームのタキソノミーを応用して、「思考コード」という指標をつくっている私立中高や模試業者もあります。
以下の記事をご覧いただくと、ブルームのタキソノミーと思考コードについてご理解いただけると思います。
学力の三要素とブルームのタキソノミー(認知過程次元)、思考コードを重ねると、おおよそ次のような関係性になります。
- 知識・技能―習得―記憶・理解―知識理解思考(A領域)
- 思考・判断・表現―活用―応用・分析―論理的思考(B領域)
- 主体的・対話的・深い学び―探究―評価・創造―創造的思考(C領域)
大学受験小論文の決定版となるよう、IBや文部科学省の政策の下敷きとなっているブルームのタキソノミーを軸に、評価と答案作成法を(簡易的ですが)提案しています。
- 設問に対する意見と理由―記憶・理解・応用・分析―知識理解思考(A領域)+論理的思考(B領域)
- 意見に基づく未来への提案―評価・創造―創造的思考(C領域)
いままでの小論文の指導法というと、「設問に対する意見+理由」でおおよそ完結していました。
ただ、それではブルームのタキソノミーでは「記憶・理解・応用・分析」の領域までしか捉えることができないということです。
(俗っぽく言えば、意見と理由を述べるだけでは単なる批評家にすぎない、ということ)
ならば「評価・創造」の領域まで意識して思考できるかを見ればよい、すなわち、現状を批判的に捉え、解決策まで提案できる思考の持ち主かどうかを判定できるようにすれば、その領域に長けた受験生の才能を拾い上げることができるといえるのではないかと考えた次第です。
裏を返せば、いままでの小論文の指導法やそれに基づいた採点基準では、「評価・創造」ができる受験生を取りこぼすということです。
そうであれば、書籍を通して、私から受験生の才能を拾い上げるための評価法を大学側に提案できないかと考えて記しました。高校のみならず大学の関係者にも一読いただきたい内容となっています。
また、この参考書は表現方法もさることながら、設問を目の前にしたときの簡単な思考法も示しています。類書とは一線を画す内容となっています。
おそらく今まで小論文の参考書では聞いたことのないことを盛り込んでいるのではないかと思います。
- 執筆までの手続きの計画(コミュニケーションデザイン)
- 発散と収束(デザイン思考)
- 帰納法、演繹法、弁証法
- 譲歩構文
- U理論
- PEST分析
- 氷山モデル
- 逆説の思考
いわゆるハウツー本やネタ本ではありません。私はそうした対症療法的な答案作成のあり方は好みません。
ですから、読めば受かる、みたいな書籍を書くつもりはありませんでした。
(そもそも、読むだけナンチャラという本を読んで、本当に受かるのでしょうか?)
だから「1ヵ月」は最低ほしいという意味を込めて、タイトルを『ゼロから1カ月で受かる』としました。
取り扱うテーマも身近なものから世界規模のものまで、色々と取り扱っています。
- 自己アピール
- スマートフォン
- 多数決と民主主義
- 共有地の悲劇(ジレンマ問題)
- 労働とは(ソーシャルビジネス、サスティナブルな社会)
- 途上国の貧困問題
- 教育観
- 出生前診断
ぜひお手に取ってご覧いただくとともに、高校・大学関係者にご紹介いただければ幸いです。