『ゼロから1カ月で受かる 大学受験 小論文のルール』(KADOKAWA)執筆終了
代表の神崎です。ご無沙汰しております。
ただいま、新作『ゼロから1カ月で受かる 大学受験 小論文のルール』(KADOKAWA)を執筆しております。刊行は秋口になります。
※カバーデザインの帯のキャッチフレーズは、多分変わります。「主体性」についてはあまり触れてないので。

先ほど、原稿の追加と朱入れが一通り終了しました。
「おわりに」がちょっと長くなりすぎて、削られるかもしれないので、ここで披露してみます。
私のいまの思いが素直に伝わっているとよいのですが。
お暇な方だけでよいので、ご覧下さい。
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おわりに
振り返ってみてください。
この本を手にするまえのキミと,今のキミ。
明らかに未来を前向きに捉えられるようになっていませんか。
それは,キミのマインドが変わったからに他なりません。
多くの高校生は,やってくる未来を「これからAIによって仕事が奪われる」「グローバル化によって,海外の人々が仕事を奪っていく」というように悲観的に捉えたり,そもそも「そんな未来のことなんて考えている暇はない」「今が楽しければいい」と自分の未来を真正面から捉えなかったりします。
でも,キミは違います。
本書では,目の前で起こっている事実を真正面から捉え,そこに潜む問題や課題、本質と向き合うことを学びました。そして,現状に蹴りをつけ,どういう未来を描いていけばいいのかを,本気で考えることができたのではないでしょうか。
世界に潜むProblem(問題)を見つめ,それを悲観的に見たり,他人事として見て見ぬふりをしたり,批評家になることを良しとしないキミがここにはいます。むしろ,問題を自分事として捉え,Project(目標達成のための計画)を打ち立てて,自らの手で変えようという思いが強くなっているはずです。
キミは,未来を悲観する人間ではない。
未来をつくる人間なのです。
私は,小論文での学びを通して,未来を創造できる高校生を世の中に送り出したいと願い,日々活動をしています。その思いが本書には詰まっています。
本書の課題を通して,踏み込んで見えてきた世界。そこには苦しむ人も,喜びを得る人もいます。そうした価値観が異なる人々がいる中で,問題の本質を見出し,一つの解を自分なりに生み出そうと懸命に思考する。
だから,心が熱くなるし,ときには対立することも想定しなければなりません。もちろん,自らがつくった未来によって,不幸を呼ぶこともあります。未来をつくることは,正解も間違いもありません。それでも,未来をつくり続け,幸せな世界をつくり続ける担い手になってほしいのです。
こうしたcreation(創造)をすることが求められるのが未来をつくる行為であり,小論文です。だから,知識の丸暗記や課題文のまとめでは対処できるはずがありません。問題にどう向き合うかが問われるのです。
私たちは変化する世界のど真ん中にいます。その変化に対して,いまある解決策や制度や理論が機能しなくなっています。そうした時代には,今ある選択肢の中からよいものを選ぶという今までのやり方ではなく,選択肢を「生み出す」行為が欠かせません。なぜなら,今ある選択肢で対処できなかったから,問題や課題が生まれているからです。
そして,その行為に欠かせないのが,デザイン思考です。本書で<発散>と<収束>を繰り返し,<意見>と<理由>と<展望>をまとめる,ということを繰り返し学んできました。
今までにない新しい選択肢や考え方を探る「道具」を手渡すこと,これが本書で本当に私がやりたかったことなのです。
ただ,きっと苦労をしたことでしょう。
スムーズに思考ができなかったり,根本問題を考えるまで至らなかったり,思考が整理できても思うように論じることができなかったりしたのではないでしょうか。そうした中,挫けず,投げ出さずに最後まで取り組んできたのではないかと思います。
この過程は,必ずキミの糧になると信じています。
受かる人は,知識を丸暗記する人ではないのです。
論理的に物事を語れるだけの人でもありません。
真剣に設問と向き合い,未来を語れる人なのです。
ここで小論文のルールを習得したキミならば,難しい問題にぶち当たっても,これから生きるにあたって挫けることはないでしょう。大丈夫。
自信をもって,そしてキミの目の前に広がる世界をもっとポジティブに,キミだけでなく,多くの人々が幸せになる未来を描いてきてください。応援しています!
神﨑 史彦